1問1答

自閉スペクトラム症の子を賢く育てる方法を教えて欲しい

yuu

こんにちは!ゆう先生です!

今日は、未就学児のお母さんからのご相談にお答えしますね。テーマは、

「自閉スペクトラム症の子を賢く育てる方法を教えて欲しい」

というご質問です。

相談者
相談者

こんにちは。ゆう先生。

私には現在4歳の自閉スペクトラム症(ASD)の息子がいます。

自分の好きな物事への没頭がすごく、好きなことは幅広く知識がある一方で、好きではないことへの興味関心は0です。

息子は電車が好きです。

そろそろ文字や数字にも興味を持ってもらいたいし、他のことにも、この集中力や記憶力を活かして欲しいのですが、それを可能にする方法はありますか?

というご質問になります。

結構、あるあるの質問でございますし、僕自身も昔は「虫博士」「動物博士」と言われていた部類の人間なので、

なんとなく、こういうタイプの子の「やる気スイッチ」を探すのは得意なタイプかもしれません。

ただ、現実的な話とセットでお話を聞いて頂ければと思います。

まず自閉スペクトラム症の特徴とは?

大きくは3つの特徴があります。

  • 対人関係の困難さ
  • こだわりが強い
  • 感覚の偏り

その中でも、特定の物事への強い関心などは「こだわりの強さ」と関連があるとされています。

また幼児期に関してはまだまだ脳が成長段階なので、「知っている物(事)」自体が少ないです。

また、脳は知っている物(事)を重要と捉えやすかったり、認識しやすかったりします。

なので、幼児期は自分の好きなものにハマりやすいし、それは脳機能が十分に働いている証拠とも言えます。

ただここに、自閉スペクトラム症特有の「こだわり」の要素が入ると、単にその物事が好きという気持ちだけでなく、

その物事にこだわっていないと「焦り」や「心配」、ひいては「恐怖」のような感情が内在している可能性もあるので、

シンプルに「好きで、興味がある」場合もあれば、「これしかない!」という見えない恐怖心も内在している時があります。

プラス、外環境の周りの人(父母・祖父母・その他)が「XXが本当に好きなんだね」とか「XX博士みたい」と褒めるほどに、

恐怖心が強い子の場合には「これしかない!」「これがあれば喜ばれる」と、その物事へのこだわりが強くなる可能性もあります。

さて、ここまでが前段階です。

自由にまずは遊ばせましょう

色々、お話ししましたが、そのような傾向もあるので過度に褒めたり、無理に他のことに興味を持たせようと頑張る必要はありません。

本人が遊びたいように遊ばせてあげる

のがベスト対応になります。

ただ大事なことはここから「派生」して、さまざまな物事に興味を向けたり関心を持つことでしたよね?

詰まるところ、賢い子

今回の場合の賢い子の定義は、物知りで、色々なことに挑戦したり興味を持てる子と定義します。

本質的には、我慢や、努力やなども含めて賢いといえたり、賢さにも種類がありますが、一応今回の話はこれで進めます。)

で、どうすれば賢い子に育つのか?結論的にいえば、

本人が遊びたいように遊ばせることを前提として、

  • 大人がその遊びに参加して、学ばせたい能力を見せて、トレース(真似)させる
  • その遊びが拡張する勉強(文字・数字)などを別の機会に時間を設けて行う

ということかと思います。

その物事の中から、違う動きを作る

まず本人の好きなことは第一優先でさせてあげてください。

その上で、例えばプラレールセットで電車遊びをしているなら、そのレールを使ってお母さんも一緒に違う電車で遊ぶことが良いかと思います。

ただその時に「電車が2台になったね」とか言いつつ、数字の要素を混ぜていく

ちょっと追いかけっこをしてみたり、3台にしてみたり、並ばせてみたり、障害物を置いてみたり、

なんでも良いのですが、本人がそれを遊ぶだけでは身につかない要素を、大人が作って、見せていくことが大事かと思います。

自閉スペクトラム症の子の良さは、1度でも目で見たことは覚えていることが多い素晴らしい記憶能力を持っているところです。

なので、一度見せるところからが全てのスタートです。

これは躾の面でも一緒で、本人に見せることが最初のステップです。

このように、本人は覚えていることをより深めることが得意なので、大人はそれを拡張して、見て覚えさせる遊びの提供者であるのが良いかと思います。

その経験が増えて、一つの物事から派生して、他の物事でも共通で楽しめる要素が見つかった時に、子供は他のことにも興味を持ちやすくなります。

つまり、全く別なことをさせるのではなく、同じ物事の中で学ばせて、他にも同じ要素があることに気づかせるのが自閉スペクトラム症には合っている学習方法です。

その上で、文字・数字などは別時間に

ただ好きな物事で大人が考えうる拡張性がある遊びをいくらやっても、直感的に遊べる世界は意外と拡張するのが難しいので、

1日5分でもいいから、毎日同じ時間に、同じようなやり方で、文字や数字の勉強をさせていくのは大事かと思います。

文字や数字がちょっとでも覚えられると、見える世界がグッと広くなります。

世界の見え方が広がると、興味を持てる範囲も広くなる可能性があります。

そのために、簡単なことからで良いので、毎日ちょっとだけ、時間をとって勉強する習慣づけをして欲しいと思います。

僕個人としては、好きな物事の「絵カード」とか「絵本」とか「テロップ付きの動画」なども良いかと思います。

ただし動画は見せすぎると、そちらのほうにハマりそうなので、基本的にご家庭の方針によってはおすすめって感じです。

何にしても、好きなことを起点として、それに関連する「物事」「経験」「文字・数字」を増やしていくことが大事です。

その部分を十分に覚えた子供の多くは、それが飽きると、全然違うことに没頭して頑張ることも多いので、僕としてのおすすめでした。

まとめ

今日は、未就学児のお母さんからの「自閉スペクトラム症の子を賢く育てる方法を教えて欲しい」と言うテーマでした。

厳密には、賢いことが人生で重要なのか?と言われると、大事であるが、過度に期待しすぎない方が良いと感じる部分もあります。

今の園児が大人になる頃の世界は、今の世界とは、ちょっと別な可能性がある(機械化・AI化)ので、

もしかしたら、賢いことよりも、好きなことを楽しそうに語れて、人に優しく、仲良くなれる技能の方が大事なのかもしれないと感じます。

自閉スペクトラム症は、コミュニケーションが苦手と言われていますが、AI時代のコミュニケーションは人と人の間にAIが入ってくれる可能性が高いので、

以外と、生きやすい未来は近くなっているかもしれません。

そんな感じで、賢いことは大事でありますが、そうではなくても未来は明るいよ!って話でした。

また次回の記事もよろしくお願いします。

ABOUT ME
ゆう|Yuu
ゆう|Yuu
子どもの発達の専門家
現役児童指導員。一般社団法人dil理事。年間300回以上、通算2000回以上の療育。児童発達の専門家。富山県内の療育施設で主に児童・幼児の療育を行っています。
記事URLをコピーしました