発達障害の思春期の特徴を解説!中学生・高校生で起こること

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    こんにちは、ゆうです。

    今日は「発達障害の年代別の特徴」というテーマの中から、思春期について解説していきたいと思います。

    目次

    思春期の記憶、皆さんはどうですか?

    皆さんは、思春期にどんな思い出がありますか?

    僕自身を振り返ってみると、正直に言って、思春期の思い出は「いい思い出か、悪い思い出か」と聞かれたら、悪い思い出のほうが多いです。

    うまくいかなかったこと、失敗したなと思うこと、今思い返すとちょっとした黒歴史みたいな出来事もたくさんあります。

    ただ一方で、あの頃に必死で頑張ったからこそ、今の自分があるとも感じています。
    思春期特有の悩みや不安、葛藤も含めて、今振り返ると「大切な時期だった」と言えるようになりました。

    当時は周りの人に迷惑をかけたことも多かったし、いろいろやらかしたなと思いますが、それも含めて自分にとっては忘れられない時期です。

    皆さんにとっての思春期は、どんな時間だったでしょうか。

    良い思い出ばかりの人もいれば、苦い記憶が多い人もいると思います。ただ、多くの人にとって、思春期は強く記憶に残る時期なのではないでしょうか。

    思春期は脳が大きく変わる「第2の変革期」

    これまで幼児期、児童期についてお話ししてきましたが、思春期はその次の段階にあたります。

    人生で脳が大きく変わる2つの時期

    幼児期
    何も分からない状態から、人間らしく急激に成長していく時期。人生で最も変化が大きい段階です。

    小学生(児童期)
    幼児期で獲得した力を、より高度にしていく時期。
    例えるなら、幼児期がおたまじゃくだとすると、小学生はまだ尻尾が残っている途中段階のカエル。少しずつ「カエルらしく」なっていく段階です。

    思春期
    尻尾はほぼなくなり、陸には上がっているものの、まだ完全に成長しきっていない小さなカエルのような状態。
    見た目も体も大きく変わり、「もう子どもではない」ように見えますが、脳はまだ成長途中です。

    そのため未熟な部分も多く、不安や衝動性が強く出やすい時期でもあります。
    脳が大規模にリニューアルされるこの時期は、発達障害のある子どもにとっても、大きな負荷がかかりやすく、人によってはとても苦しい時期になります。

    思春期に何が変わるのか:性ホルモンが脳に与える嵐

    思春期になると、発達障害の有無に関わらず、まず大きく変わるのが性ホルモンの影響です。

    性ホルモンの影響

    思春期に急増する性ホルモンは、脳の受容体に直接作用し、感情や行動の傾向を大きく揺さぶります。

    男子:テストステロンの影響

    • リスクを恐れにくくなる
    • 評価や優位性を求める行動が強まる
    • 「俺が一番」「最強でいたい」という感覚が強くなる
    • 自分と他人を「強い・弱い」で比較しやすくなる

    女子:エストロゲンの影響

    • 対人関係の変化に敏感になる
    • 同調圧力への感受性が高まる
    • 周囲に合わせなければ、という気持ちが強くなる

    発達障害のあるお子さんの場合
    これらの感情をうまく調整することが難しく、パニックや強い落ち込みとして表に出ることがあります。

    ADHD:思春期の特徴

    体は落ち着いても、心の中の嵐は続いている

    小学校高学年頃になると、授業中に立ち歩くなどの目立つ多動は減ってきます。
    椅子に座って、静かに授業を受けているように見える子も増えます。

    しかし、外から見えなくなっただけで、頭の中は忙しいままということがよくあります。

    多動性が外に出る形から、内側に向かい、**内的不穏(心のソワソワ感)**として現れるのです。

    見えにくい落ち着きのなさ

    • 授業中の落書き
    • 貧乏ゆすり
    • 絶え間ないおしゃべり
    • SNSでの衝動的な投稿

    提出物・時間管理が急にできなくなる

    中学生以降は、学習内容の難易度が一気に上がり、自己管理能力が強く求められます。

    前頭前野の成熟の遅れ
    ADHDでは、前頭前野の成熟が定型発達より2〜5年ほど遅れると言われています。
    体は大人に近づいても、脳の制御機能はまだ小学校中学年レベルということも珍しくありません。

    その結果として、

    • 提出物の遅れ
    • 遅刻
    • 計画性がないように見える行動

    が起こりやすくなります。

    スマホ依存のリスク

    思春期の脳は報酬系に強く反応します。ADHDの特性が加わると、即時報酬に飛びつきやすくなります。

    スマホは、まさに即時報酬の塊です。
    ドーパミンが出にくい脳にとって、スマホは強力な刺激装置で、本人の意思だけではコントロールが難しくなります。

    その結果、

    • 学校に行く気力がなくなる
    • 目標よりも目の前の快楽を優先してしまう

    といった状況が生じやすくなります。

    ASD:思春期の特徴

    特性そのものは大きく変わらない

    ASDの場合、幼児期から思春期にかけて、特性そのものが大きく変化することはあまりありません。

    ただし、経験と知識が増えることで、苦しさが増すことがあります。

    分かってしまうからこそ苦しい

    • 自分と周囲の違いに気づく
    • 合わせられない自分に悩む
    • 仲間関係から外れる経験が増える

    「空気を読む」人間関係が壁になる

    中学生になると、明確なルールよりも、暗黙の了解や序列を含んだ人間関係が増えていきます。

    ASDの特性として、複数の情報を同時に統合することに負荷がかかりやすく、

    • 思ったことをそのまま言ってしまう
    • 逆に周囲に合わせすぎて疲弊する

    といったことが起こりやすくなります。

    女子に多いカモフラージュ

    ASDの女子に多いのが、外で「普通」を演じるカモフラージュです。
    周囲を観察し、振る舞いを模倣して適応しようとします。

    これは非常に脳のエネルギーを使うため、家に帰ると、

    • 癇癪
    • 無気力
    • 抑うつ状態

    として反動が出ることがあります。

    「キレる」行動が増えやすい理由

    1. 反応的攻撃性

    思春期は感情を司る扁桃体の働きが強くなる一方で、前頭前野のブレーキがまだ十分ではありません。
    そのため、衝動的な怒りが抑えきれなくなります。

    2. CU特性

    他者の痛みに気づきにくい特性がある場合、

    • 罪悪感を感じにくい
    • 辛辣な言動が増える

    といった行動が見られることがあります。

    3. 仲間の目による衝動性の増幅

    ADHDでは、仲間からの反応が「報酬」になり、集団の中でリスク行動が強化されやすくなります。

    不登校が増えやすい理由

    学校回避が学習されてしまう

    これは甘えではなく、脳と身体の防御反応です。
    失敗体験が積み重なる中で、思春期特有の承認欲求が加わると、「学校はつらい場所」という学習が成立してしまいます。

    スマホ・ゲームへの逃避

    人との関わりで疲弊したエネルギーは、スマホやゲームといった電脳世界に向かいやすくなります。
    「人と関わらないほうが楽」という選択になりがちです。

    思春期はポジティブな再配線のチャンス

    脳は人生で2回、大きな変革期を迎えます。

    1回目:出生直後
    2回目:思春期

    この時期の経験は、その後の人生観や自己肯定感に強く影響します。

    家庭は心理的安全基地に

    家庭は、どこまでも安心できる場所であることが重要です。

    小さな成功体験が未来をつくる

    中高生時代の小さな成功体験は、一生心に残ります。
    それは社会的レジリエンスを育てる土台になります。

    僕自身の経験から

    僕自身も、中学生の時期にいくつかの小さな成功体験を得ました。
    失敗も山ほどしましたが、それがあったからこそ「結果的にはうまくいく」と思えるようになりました。

    まとめ:思春期は「やる気のなさ」ではなく脳の成長過程

    思春期に見られる無気力や感情の爆発は、わがままではなく、脳の成長と特性のミスマッチによって起こるものです。

    大変な時期ではありますが、同時に大きく成長できるチャンスでもあります。
    理解とサポートをもって、この時期を見守っていきましょう。

    それでは、皆様よき療育ライフを。

    ゆう先生
    相談支援員・児童発達支援員
    富山県富山市で児童発達支援、学習支援、相談支援などを行なっています。またYouTubeやInstagramなどでも療育のアレコレを発信中。
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