【2】受給者証・就学

障害児の就学先と多様な学び場について|主に富山県向け

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こんにちは!富山子ども発達net管理者のゆうです。

本日は「障害児の就学先を確認していこう」ということで、就学先の概要などを解説していきます。

まだ「療育していないよ!」「受給者証を取得していないよ!」って方はこちらの記事も参考にしてみてください。

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障害や何らかの疾患が子どもにある場合や、気になる様子や行動が見られる場合、保護者にとって就学先の選択は、本当に悩ましい問題です。

ただ最初に伝えておきたいのは、就学は「自分の子どもが笑顔で生き生きと過ごす未来のため」の選択です。

なので、周りの意見や考えなどはもちろん大事ですが、自分の子どもが一番幸せにに生きられる場所であることがとても大事です。

なので、たくさんの情報を集めて、本人の様子をよく確認し、本人とよく相談し、ギリギリで決めるのではなく、時間をかけて決めて頂ければと思います。

今回の記事はその情報の一部として、皆様のお役に立てたら幸いです。

1.未就学児の4つの就学先について

障害を持つ未就学児にとって、適切な就学先を選ぶことは非常に重要です。

主要な選択肢としては以下の4つになります。

  1. 通常学級
  2. 通級による指導
  3. 特別支援学級
  4. 特別支援学校

主に、普通の小学校の通常学級、通級(特別支援学級に部分的に参加)、特別支援学級、そして特別支援学校の選択肢の中から子どもの個別の特性に応じて、学校は選ぶことが重要です。

基本的に図で表した通り、下(通常学級)であれば支援は少なく、上(特別支援学校)であれば、多くの支援を受けることができます。

よく「学校選びが分からない泣」って方もいますが、正直、支援を長く続けている施設の職員でもここは悩む部分です。

ただ大事なポイントがあるとすると以下の3つのポイントが重要かな?と思います。

  1. 自力で授業についていける力があること
  2. 自発的に学習に参加する意欲があること
  3. 生きる力を身につけれらる環境であること

この3つを主に頭の片隅に置いて就学先を考えていくことが大事かな?と思います。

例えば「大人がついていないと勉強に集中できない。でもやればできる」ってパターンのお子さんであれば、

個人的には「特別支援学級」からスタートして、学校で学習能力がついてきたら「通級による指導」に移行できるように考えていくのが良いかな?思います。

子どもはなんだかんだと言いながら、どんどん成長していきます。

ただこのパターンの場合、最初から通常学級に入れて、サポートがなく勉強についていけなくなり、自己肯定感が落ちて、勉強嫌いになり、学校に行きたくなくなる。

こんな状況になることも想定されます。

なので、まずは「できる」ことに着目して「学校で生き抜く力」を身につけ、徐々に慣らしていくのが良いかと思います。

通常学級について

通常学級は主に集団での学習活動が中心となるクラスです。

「障害児は入れないクラスでしょ?」って思っている方も多いですが、そんなことはないのでご安心ください。

多くの保護者様も在籍経験がある「一般的なクラス」というようなイメージです。

各学級は同年代の子供で構成されており、基本的に集団で授業を受けます。

自閉症やADHDなどの支援が必要な子どもには、学級担任にができる範囲で配慮を行いますが、特別支援学級ほどの手厚い支援はありません。

なので、自分のことは自分でやれる能力が最低限必要になります。

ただし、本人や保護者から配慮を求める申請があった場合は、本人や保護者と相談しながら、担任教員が個々の特性や障害に配慮し、指導方法や教材等の工夫を可能な範囲で行うケースもあります。

これを合理的な配慮と言います。

2021年3月の義務標準法の改正により学校編成の標準を小学校のすべての学年で1クラスの定員上限が35人となっております。

通級による指導について

通級とは、 通常学級に在籍しながらも、必要に応じて特別支援を受ける状態のことを意味します。

例えば、学力的には問題はないけれど、言葉の課題や情緒的(ソーシャルスキル)な課題があるため、そこの部分だけ別に支援を受けようね!って感じです。

なので、基本的には通常学級での生活が8割ほど。残り2割ほど(週のうち数時間程度)特別支援というような形です。

この学習上または生活上の困難の改善、克服、するための指導のことを自立活動といいます。

自立活動とは

一人ひとりの子供が自立を目指し、障害による学習または生活上の困難を主体的に改善克服しようとする取り組みを促す教育活動です。

自立活動は、一人ひとりに対して作成される個別の指導計画に基づいて学習上の特性などを踏まえながら指導が進められます。

自立活動内容は下記の6区分(さらに27項目)に分類されます。その中から子供に必要な内容を学び、関連付けた上で自立活動の指導内容を設定します。

  • 健康の保持
  • 心理的な安定
  • 人間関係の形成
  • 環境の把握
  • 身体の動き
  • コミュニケーション

通級の対象者

主に以下のような特性の児童が通級による指導を受けることができます。

言語障害、 情緒障害、 弱視、 難聴、 自閉症スペクトラム(ASD)、 肢体不自由、 病弱、 身体虚弱、 注意欠如多動 (ADHD)、 学習障害 (SLD)

通級に関しては 特別支援学級に在籍の場合は利用できません。

通級指導教室は基本的に障害別に分かれていますが、必ずしも就学予定校に子供に該当する障害種別の通級指導教室があるとは限りません。

その場合は、他校の通級指導教室に通うことも可能です。その場合は、保護者による送迎が必要になります。

通級の指導内容

こだわりの軽減、感情のコントロール方法、自分の気持ちの伝え方などに関する学習など、子どもの特性に応じた指導を行います。

よく「ことばの教室」なんて呼び方をする学校もありますが、例えば、言葉に課題がある子の場合には、話し方、発音の誤りや、吃音などの言葉に関する学習を行います。

1対1の個別指導の教室もあれば、子供3人から6人の小集団指導を行う場合もあります。

特別支援学級について

特別支援学級は、主に障害のある子どもに対して、学習の課題や生活の課題を、個々の特性に応じて指導や支援を行います。

特別支援学級の場合は、在籍が特別支援学級となります。

1週間の半分は支援級での小集団から個別支援。もう半分は交流学級(通常学級)での集団活動を行います。

また特別支援学級は、学校によっては異年齢の子どもと一緒のクラスになることもあります。

最近だと「自閉症・情緒障害特別支援学級(自情級)」と「知的障害特別支援学級」の2つの学級に分けられて、それぞれに特性に合わせた指導を行う学校も多いです。

特別支援学校について

特別支援学校は、普通の学校環境での学習や生活が特に困難な子どもたちのための、完全に別の教育施設です。

心身の障害の程度が比較的重い子どもが通う学校になります。

例えば「言葉が話せない」「目が見えない」「知的に重い障害がある」など、自立して生活するのに他者のサポートが必要な子どもたちが通います。

入学可能な障害の程度は学校教育法施行令第二十二条の三で以下のような障害の程度が規定されています:

  1. 視覚障害:両眼の視力が約0.3未満の者、または視力以外の高度な視機能障害を持つ者。
  2. 聴覚障害:両耳の聴力レベルが約60デシベル以上の者で、補聴器等を使用しても通常の話声を理解することが不可能または困難な程度の者。
  3. 知的障害:知的発達の遅滞があり、他人との意思疎通が困難で日常生活に頻繁に援助を必要とする程度の者。
  4. 肢体不自由:肢体不自由の状態があり、補装具の使用によっても日常生活における基本的な動作が不可能または困難な程度の者。
  5. 病弱:慢性の呼吸器疾患、腎臓疾患、神経疾患、悪性新生物などの疾患があり、継続して医療または生活規制を必要とする程度の者。

学校ごとに個々の障害に合わせた専門性の高い指導が行われ、生活の自立や専門的なスキルの習得に重点を置いた教育が行われます。

まとめ

本日は「障害児の就学先を確認していこう」ということで記事を書いていきました。

今後も皆さんに必要な情報を提供できるように頑張っていきます。

また、この記事が皆様の療育、ひいては就学の何らかのサポートになることを祈っております。

ABOUT ME
ゆう|Yuu
ゆう|Yuu
子どもの発達の専門家
現役児童指導員。一般社団法人dil理事。年間300回以上、通算2000回以上の療育。児童発達の専門家。富山県内の療育施設で主に児童・幼児の療育を行っています。
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