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お子さまの就学を考える際、心身の障害の程度が比較的重いお子さまには、「特別支援学校」という選択肢があります。
ここでは、特別支援学校の特徴や支援内容について、わかりやすくご説明します。
特別支援学校とは
特別支援学校は、心身に障害のあるお子さまに対して、障害の種類や程度に応じた専門性の高い教育を行う学校です。
各学校では、それぞれの障害種別に特化した教育課程や支援が提供され、お子さまの自立と社会参加を目指しています。
また、障害のために通学が困難なお子さまには、訪問教育を行う学校もあります。
特別支援学校の特徴
学級編成
- 1学級あたりの人数は6人以下で編成
- 障害種別ごとに学校を設置
- 知的障害、肢体不自由、視覚障害、聴覚障害、病弱・身体虚弱などの障害種別に応じた学校があります。
学習・指導内容
- 特別な教育課程・教育環境での学習
- お子さまの障害の状態や特性に応じて、通常の教育課程に準じた教育や、知的障害のあるお子さまのための教育課程による教育を行います。
- 自立活動の指導
- 障害による学習上または生活上の困難を改善・克服し、自立するための指導を行っています。
入学可能な障害の程度
特別支援学校に入学可能な障害の程度は、学校教育法施行令第22条の3によって定められています。
しかし、平成25年9月の改正により、障害の状態だけでなく、教育的ニーズ、学校や地域の状況、保護者や専門家の意見を総合的に勘案して、個別に就学先を判断・決定する仕組みとなりました。
- 本人と保護者の意向の尊重
- お子さまの最適な学びの場を決定する際、教育委員会は本人と保護者の意向を尊重します。
- 合意形成のための話し合い
- 教育委員会の判断と保護者の意見が一致しない場合は、さらなる話し合いを経て合意形成を図ります。
対象となるお子さま
障害種別
- 知的障害
- 障害の程度
- 知的発達の遅れがあり、他人との意思疎通が困難で、日常生活に頻繁な援助が必要なお子さま。
- 社会生活への適応が著しく困難な場合。
- 肢体不自由
- 障害の程度
- 歩行や筆記など、日常生活の基本的な動作が補装具を使用しても不可能または困難なお子さま。
- 常時の医学的観察・指導が必要な場合。
- 病弱・身体虚弱
- 障害の程度
- 慢性的な疾患により、医療や生活の規制が必要なお子さま。
- 身体虚弱の状態が継続し、生活規制を必要とする場合。
- 聴覚障害
- 障害の程度
- 両耳の聴力レベルが概ね60デシベル以上で、補聴器を使用しても通常の話し声が理解困難なお子さま。
- 視覚障害
- 障害の程度
- 両眼の視力が概ね0.3未満、または視力以外の視機能障害が高度で、拡大鏡等を使用しても視覚による認識が困難なお子さま。
注意: 自閉症・情緒障害を専門に対象とした特別支援学校はありませんが、知的障害を伴っている場合には、入学対象となる場合があります。
教育委員会の判断基準
教育委員会は、お子さまに最も適した学びの場を総合的に判断します。
- 判断要素
- 障害の状態
- 教育的ニーズ
- 学校や地域の状況
- 保護者や専門家の意見
- 本人および保護者の意向の尊重
- お子さまと保護者の意向は尊重されますが、最終的な決定は教育委員会が行います。
- 合意形成のための話し合い
- 教育委員会の判断と保護者の意見が一致しない場合、さらなる話し合いを行い、合意形成を図ります。
富山県の特別支援学校一覧
富山県には、以下の特別支援学校があります。それぞれの学校で、特定の障害種別に応じた教育が行われています。
学校名 | 障害種別 | 所在地 | 備考 |
---|
富山県立富山視覚総合支援学校 | 視覚障害 | 富山市大江干144 | 寄宿舎あり |
富山県立富山聴覚総合支援学校 | 聴覚障害 | 富山市下奥井1-9-56 | |
富山県立しらとり支援学校 | 知的障害 | 富山市婦中町下轡田2877 | 寄宿舎あり、スクールバスあり |
富山県立富山総合支援学校 | 肢体不自由 | 富山市金屋4982 | 寄宿舎あり、スクールバスあり |
富山県立ふるさと支援学校 | 病弱・身体虚弱 | 富山市婦中町新町2913 | 病院併設 |
国立富山大学教育学部附属特別支援学校 | 知的障害 | 富山市五艘1300 | |
富山県立高志支援学校 | 肢体不自由 | 富山市道正29-1 | 関連福祉施設を併設 |
その他の情報
- 各特別支援学校の詳細は、公式ホームページからご確認いただけます。
- 写真付きの案内が多く、具体的な学校生活をイメージしやすくなっています。
就学に関する具体的な取り組み
就学相談の利用
- 就学相談とは
- お子さまの就学先や必要な支援について、教育委員会や専門家と相談できる制度です。
- 相談内容
- お子さまの発達状況、教育的ニーズ、保護者の希望などを詳しく話し合います。
- 必要な書類の準備
- 医学的診断や心理検査の結果などが必要となる場合があります。
学校見学と情報収集
- 学校見学のおすすめ
- 各特別支援学校の教育内容や設備、雰囲気を直接確認できます。
- 具体的な質問をする
- 学習環境やサポート体制、通学方法など、気になる点は積極的に質問しましょう。
個別の就学相談(10月~11月ごろ)
特別支援学校への就学を希望する場合、お子さまと保護者は個別の就学相談を受ける必要があります。
- 相談内容:お子さまの発達状況や教育的ニーズについて詳しく話し合います。
- 専門家の意見:教育学、医学、心理学などの専門家からの意見を参考にします。
- 教育委員会の判断:保護者の意見や専門家の意見を総合的に考慮し、お子さまに最適な就学先を決定します。
最後に
特別支援学校は、お子さまの障害の状態や特性に合わせた専門的な教育を提供する場です。
お子さまが自立し、社会参加できる力を育むために、最適な学びの場を選ぶことが大切です。不安や疑問がある場合は、遠慮なく教育委員会や学校にご相談ください。
お子さまの未来を一緒にサポートしていきましょう。
ABOUT ME
現役児童指導員。一般社団法人dil理事。年間300回以上、通算2000回以上の療育。児童発達の専門家。富山県内の療育施設で主に児童・幼児の療育を行っています。