記事内に商品プロモーションを含む場合があります
お子さまの就学を考える際、言葉や情緒面での課題があるお子さまについては、「通級による指導」(以下、通級)という選択肢があります。ここでは、通級の特徴や支援内容について、わかりやすくご説明します。
通級とは
通級とは、通常の学級に在籍しながら、週に数時間程度、特別な指導が必要な子どもが専門の教室に通って指導を受ける仕組みです。言語や情緒面に課題があるために学校生活に適応しにくいお子さまが、一人ひとりの困難を改善・克服するための支援を受けます。
通級の特徴
対象となるお子さま
- 言語障害、情緒障害、自閉症、学習障害(LD)、注意欠陥/多動性障害(ADHD)など、比較的障害の程度が軽いお子さま
- 通常の学級での学習におおむね参加できるが、一部特別な指導が必要なお子さま
- 特別支援学級に在籍している場合は利用できません
指導内容
- 自立活動に基づく指導:お子さまの障害による学習上・生活上の困難を改善するための活動
- 個別指導が基本:お子さま一人ひとりに合わせた指導を行います。必要に応じて小グループでの指導も行われます。
- 指導計画の作成:個別の教育支援計画や個別の指導計画に基づいて、目標や内容を設定します。
指導時間
- 年間35~280単位時間:週に1~8時間程度の指導を受けます。
- 学習障害(LD)や注意欠陥多動性障害(ADHD)の場合:年間10~280単位時間
- 授業を抜けて指導を受けるため、必要に応じて家庭での学習補充が求められる場合があります。
送迎について
- 在籍校に通級指導教室がない場合:近隣の学校で指導を受けることができますが、その際は保護者の送迎が必要となります。
通級での指導内容
具体的な学習内容
- 社会的スキルの習得:こだわりの軽減、行動や感情のコントロール方法、自分の気持ちの伝え方などを学びます。
- 言語の発達支援:発音の誤りや吃音など、言葉に関する課題を改善します。
- コグトレ:認知機能の強化や不器用さの改善を目的としたトレーニングを行います。
指導の進め方
- 通級指導教室の担当者と担任教師の連携
- お子さまの目標や課題を共有し、一貫した支援を行います。
- 通級で学んだことを通常の学級や日常生活で活かせるようサポートします。
- 保護者との連携
- 家庭での様子を担当者に伝え、支援に役立てます。
- 指導内容や進捗について、定期的に情報交換を行います。
就学に関する具体的な取り組み
就学相談の利用
就学相談とは、お子さまの就学先や必要な支援について、教育委員会や専門家と相談する場です。通級を利用する場合も、就学相談を通じて適切な支援を検討します。
- 在籍園を通じて申し込み:幼稚園や保育園を通して、就学相談の手続きを行います。
- 専門家との面談:お子さまの発達状況や必要な支援について詳しく話し合います。
通級指導教室の見学・体験
- 教室の雰囲気を知る:実際に教室を見学し、指導内容や設備を確認します。
- 担当者との面談:お子さまの特性や保護者の希望を伝え、具体的な支援方法を相談します。
通級を利用するメリット
- 個別の支援が受けられる:お子さまの特性に合わせた指導で、困難の改善を目指します。
- 通常学級での学習を継続できる:集団での学習や活動を通じて、社会性を育てます。
- 家庭や学校との連携が強化される:定期的な情報交換で、一貫した支援が可能になります。
最後に
通級は、通常学級で学ぶお子さまが抱える困難をサポートする大切な仕組みです。お子さまの特性やニーズに合わせて、適切な支援を受けることで、より充実した学校生活を送ることができます。不安や疑問がある場合は、遠慮なく学校や教育委員会にご相談ください。
ABOUT ME
現役児童指導員。一般社団法人dil理事。年間300回以上、通算2000回以上の療育。児童発達の専門家。富山県内の療育施設で主に児童・幼児の療育を行っています。