障害のある子ども(障害児)の就学相談とサポートシートについて|主に富山県向け

こんにちは、ゆうです。

今日は「就学相談とサポートシートの活用」というテーマでお話していきたいと思います。

年長さんのこの時期、心配事があるご家庭が活用できる就学相談という制度について、そしてそこで役立つサポートシートの作り方についてお伝えしていきますね。

先にお伝えしておくと、これは全員に該当する話ではありません。就学相談もサポートシートも、心配事がある方が使えばいいもので、今日の内容を無理に全部真似する必要は全くないんですよ。

あくまで参考程度に見ていただければと思います。また、就学シリーズ共通のお断りですが、市区町村によって名称や内容が少し違います。

富山市では「さわやか相談会」という名前ですが、他の自治体では違う名前になっているはずですので、そこも含めて参考としてご覧ください。

結論を先に言うと、いろんな人に相談してみること。でも最終決定は自分がしていい。今日はこの一点に尽きるかなと思います。

目次

就学相談とは何か

就学相談とは、支援が必要なお子さんについて、保護者と市町村の教育委員会、そして学校などが一緒に、その子の教育的ニーズと必要な支援を確認し、最も適した学びの場を考えていくプロセスです。1回で終わる方もいれば、何回か通う方もいます。

その話し合いの中で、通常学級から特別支援学校までの4区分の中から、お子さんに合っているだろうと思われる就学先を一緒に探していく形になりますね。

だいたい8月・9月頃から、全国どこでも教育委員会が開催してくれています。

ただ、繰り返しになりますが全員が行く必要はありません。すでに療育に通っていて「うちの子は通常学級で行けそうだな」という場合は、あまり必要ないかもしれない。

逆に「特別支援学級かな、通常学級かな、それとも通級かな」と結構迷っている場合は、行ってお話を伺ってくるのは大事かなと思います。

よくある誤解。「相談したら決められてしまう」?

ここ、結構勘違いされている方がいます。

お母さん

療育施設に通ってしまったら通常学級はダメなのかな

お父さん

就学相談をしたら特別支援学級や特別支援学校に決められてしまうんじゃないか

そんなふうに心配されている方、いらっしゃるんですよね。

でも、今の制度においてそういうことはありません。相談をしたからここに決まりました、ではなく、相談をする中で一緒に決めていきましょうという場なんです。

お父さんお母さんと、教育委員会や学校の先生、いろんな専門家と話し合って最終的に決まっていくので、相談したから支援学級に決まりだよ、なんてことは全くないんですよ。

保護者の意見を聞くことは法律上の義務です

10年前、20年前、30年前というスパンで見ると「教育委員会が決めたことだから変えられない」ということが結構ありました。でも最近は、教育委員会も保護者の声をかなり聞いてくださるようになっています。

就学時健診の後に「お子さんはこちらの学級が良いのでは」という通知が来ると思いますが、そこで「ちょっと違うな」と思ったら伝えていいんです。心の内に秘めておかないでくださいね。

勝手に決められるものではなく、あくまで親と学校関係者が協力して、お子さんにとって一番いい道を探っていくものです。これだけは覚えておいてほしいなと思います。

「教育相談」との違い

就学相談と間違えられやすいのが教育相談です。違いはシンプルで、就学相談は就学だけの話。教育相談は子どもの悩み全般を聞いてくれる相談です。

発達のこと、学習のこと、今の行動、友人関係、不登校、いじめ。そういった子どもと保護者が抱える幅広い悩みに応じてくれます。どちらも教育委員会がやってくださっていて、原則無料です。

これは今から就学される方にも関係ない話ではなくて、入学した後にうまく学校に馴染めず、行きたくないとなってしまうことは十分あります。

最近すごく増えていますからね。今は多様性を重視した学校のような、あまり「学校学校」していない自由度の高い選択肢も出てきているので、早めに相談してみると見つかったりします。

教育相談もぜひ活用してほしいなと思います。

就学相談の準備

事前準備

お子さまの状況を整理

  • 気になる行動や特性をメモにまとめる
  • これまでの成長の様子や医療機関での診断結果など

質問事項をリストアップ

  • 相談したい内容を明確にしておくとスムーズです

相談の流れ

STEP
受付と案内

会場に到着したら、受付を済ませます。

STEP
専門家との面談
  • 教育相談員や臨床心理士、指導主事が対応
  • 保護者の話をじっくりと聞き、お子さまの状況を理解
STEP
情報提供とアドバイス
  • 適切な支援や教育環境について提案
  • 今後の流れや手続きについて説明

会場に到着したら、まず受付を済ませます。その後、教育相談員や臨床心理士、指導主事などの専門家との面談が行われます。

この面談では、保護者の話をじっくりと聞きながら、お子さまの状況を丁寧に理解していきます。

面談後には、適切な支援や教育環境についての提案や、今後の手続きの流れについての説明があります。

ただし、この場で結論を出すことはありません。後日、関係機関と連携しながら対応を検討していく流れとなりますので、焦らず、じっくりとお子さまに最適な環境を見つけていきましょう。

相談の申し込み方法

お母さん

さわやか相談会に申し込みたい

  • 電話で申し込み
    • 「さわやか相談会に申し込みたい」と伝えてください
    • 富山市教育委員会 学校教育課:076-443-2135
    • 富山市教育センター:076-431-4434
      • 受付時間:平日8:30~17:00

サポートシートは「家庭からの引き継ぎツール」

さて、就学相談で「何を話せばいいのか分からない」「心配事はいろいろあるけれど、どう伝えたらいいか迷う」という方も多いと思います。そこで役立つのがサポートシートです。

サポートシートとは、園から小学校へ支援の情報を引き継ぐために、保護者が主体となって作成するツールです。園が書いてくれるわけでも、学校や教育委員会が書いてくれるわけでもありません。

お父さんお母さん自身が、お子さんの様子を見て「ここを気をつけてほしい」「ここを配慮してほしい」を書いていくものなんですね。

自治体によって「就学支援シート」「サポートファイル」など名称が変わります。

目的は大きく2つです。

  • 環境が変わるたびに、保護者が同じ説明を繰り返す負担を減らす
  • 支援が途切れてしまうことを防ぐ

幼稚園や保育所、児童発達支援でやってきたことが、上に上がった瞬間にパッとなくなってしまう。これ、正直よくあるんですよ。節目節目で支援が1回ゼロスタートになってしまう。

本当に難しい問題で、日本全体でちゃんと取り組むべき課題だなと僕は思っています。それを極力防ぐためのバトンが、このサポートシートなんですね。

何を書けばいいのか

書く内容としては、次のようなものを整理していくのが良いかなと思います。

  • 基本情報(名前・生年月日・所属・就学予定先など)
  • 生育歴
  • 健康面
  • 感覚の特性(感覚への配慮)
  • 行動の特性とその対処法(パニック時の対応など)
  • コミュニケーション面(伝わりやすい方法)
  • 学習面(学習の特徴)
  • 対人関係
  • 身辺自立(身の回りのこと)

これを一度まとめてみると、自分のお子さんがどちらの学級に合っているのかが、結構しっかり見えてきます。学級選びの境目で迷っている場合は特にそうですね。

提出するしないに関わらず、一度書いて状況をまとめてみること自体にすごく意味があるのかなと思います。

分量については、一般的にはA4で1〜2枚程度に要点を絞ってまとめると、受け取る先生が負担を感じずに活用できると言われています。

確かに見やすさで言えばその通りです。ただ僕は何年も療育をやってきて引き継ぎ問題を見ていると、もっとちゃんとした資料を渡したほうが、みんなのためになるんじゃないかと思う部分も正直あるんですよね。

特にこれからのことを考えると、情報量が多く、細かいほどAIが助けてくれて、より精度の高い支援ができる可能性があるわけです。

今まではコンパクトが正解だったけれど、これからは変わる可能性があるのかなと。記録は残しておいて損はないというより、記録はめちゃめちゃ大事かなと思っております。

書き方のコツ「決めつけ」ではなく「具体的な場面」で

ここが一番大事なポイントです。書き方でよくないのは、悪気なく「わがままです」「乱暴です」といった性格の決めつけを書いてしまうこと。

読んだ先生としては「じゃあどうすればいいんだろう」となってしまうんですよね。

だから抽象的に書くのではなく、具体的な場面を想定して書くことが大切です。たとえば「パニックになりやすい」だけでは伝わりにくい。そうではなく、

書き方のテンプレート

「大きな音が苦手で、その結果パニックになることがあります。だからイヤーマフをつけさせてほしいです」

このように「こういうことがあると → こうなってしまうから → こうしてほしい」という形で書けると一番良いですね。行動を分析するときのABC理論(先行事象 → 行動 → その結果への対応)と同じ考え方です。

パッと思いつかない場合は、園の先生や療育施設の先生と一緒に作ってみるのもおすすめです。

一人で抱え込まずに、周りの目を借りたほうが精度が上がりますからね。

ちなみに、世の中にはサポートシートの書式が本当に山のようにあります。

もっと簡単に書けるものもあれば、より細かいものもある。自分に合いそうなものを選んでダウンロードするか、市区町村から「この書式で書いてね」と指定がある場合はそれを活用するのが良いかなと思います。

いつ作って、いつ渡すのか

まずは就学相談や就学時健診のときに持っていくのが良いかなと思います。学校に渡せるなら渡しておいてもいいですね。

そして僕がおすすめしたいのは、必要な方みんなに読んでもらって、さらにブラッシュアップしていくという使い方です。

「よりこうなんじゃないか」という意見をもらいながら、お子さんの状態を多角的に観察し、理解していく。そうすると、その後の支援がぐっと的確になりやすいんですよ。

「うちの子にはこういう特徴があるよね」という一枚を作っておくと、いろんな方とコミュニケーションを取りやすくなるし、共有しやすくなる。

就学まわりで何度も活用できて、関係機関との連携がスムーズになるのが最大のメリットかなと思います。自分の言葉で急に伝えるのが難しいという方こそ、書いておく価値がありますよ。

富山市の就学相談「さわやか相談会」について

最後に富山市の情報を軽く触れておきます。富山市では「さわやか相談会」が就学相談にあたります。

  • 時間:1組あたり45〜50分程度
  • 期間:5月頃から翌年1月頃まで
  • 申し込み:1週間前くらいまでに電話。日程を決めてから相談を受ける形

ここでのポイントは、「このことについて聞きたい」を事前に決めておくことです。話し始めると気持ちが溢れて、話したいことがいっぱい出てきちゃうんですよね。すごくよく分かります。

でも時間はある程度決まっているので、聞きたいことを整理していったほうが実りが多いです。まさにここでサポートシートが効いてきます。

「さわやか相談会」は富山市の名称なので、他の自治体の方は「(お住まいの市区町村名)就学相談」で検索して、同じように申し込みたい旨を伝えればできるかなと思います。

また富山県内では、県総合教育センターをはじめ、この時期は各地区で相談会が開かれている可能性が高いです。

そして僕も知らなかったのですが、令和7年4月から富山ステーションフロントCiC5階に相談拠点ができているそうです。

児童相談所、県総合教育センターの教育相談窓口、子ども・若者総合相談センター、県警の少年サポートセンターの4機関が連携した拠点とのことなので、こちらに連絡してみるのも良さそうですね。

まとめ:意見はたくさん集める。決めるのは、あなた

今日は就学相談とサポートシートについてお話ししてきました。就学相談は必要な方と必要でない方がいますが、心配事がある場合に一番重要なのは、いろんな方に相談してみることだと僕は思っています。

ただし、一人の意見を真に受けすぎないこと。いろんな人の意見を聞いてみて、最終的に自分が決定していいんだと思っておくのがすごく大事かなと思います。

どこまで行っても、最後の最後までお子さんの人生を見ていくのは親御さんなんですよね。他人の意見は、あくまで意見です。親御さんはお子さんにとって本当に重要な存在ですから、その判断をどうか大事にしてほしいなと思います。

困ったら、まずはいろいろなところに聞いてみる。情報を集める。その上で最終的に自分で決定する。この流れで進めていくと、失敗しにくくなるんじゃないかなと思いますので、ぜひ参考にしていただければ嬉しいです。

最後まで読んでくださってありがとうございます。

また次の記事でお会いしましょう。皆様、良きライフを!

ゆう先生
相談支援員・児童発達支援員
富山県富山市で児童発達支援、学習支援、相談支援などを行なっています。またYouTubeやInstagramなどでも療育のアレコレを発信中。
目次