【重要】発達障害の子が疲れやすい理由|ASD・ADHDの感情的な負担は定型の2倍。帰宅後の癇癪や号泣の理由を解説。

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    こんにちは、ゆうです。

    今日は「発達障害の子が疲れやすい理由」について解説していきたいと思います。

    この記事を書いているのは9月なんですけど、小学生も中学生も高校生も、ちょうど2学期が始まった時期ですね。

    学期の始まりというのは、いろんなことが起こる時期かなと思っています。

    学校から帰ってきた後に、結構崩れる子が多い。それはなんでなのかな、というところを今日はお話ししていきます。

    帰宅した途端に機嫌が崩れる。宿題に手がつかない。

    夕方、些細なことで大爆発が起こる。

    そうなると「なんでこの子はこんなに集中力がないんだろう」「怠けてるな」「根性がないな」と、つい思ってしまう。

    親御さんだったら一度は思ったことがあるんじゃないかなと思いますし、当事者の方だったら言われたことがある方もいるんじゃないかなと思います。

    先に結論を言っておくと、こういう爆発や無気力は、基本的に「疲れやすいから」が原因なんですね。

    本人たちが怠けているわけじゃない。脳がフィルターなしで1日中働き続けているから、1日の終わりには電池が切れちゃう。

    今日は、なぜ疲れるのか、疲れると何が起きるのか、そしてどう回復させるのか、という順番でお話ししていきます。

    目次

    音も光も、全部同じ強さで入ってくる

    まず、なぜこんなに疲れるのか。

    結論を言うと、音とか光とか、そういう情報に対するフィルターが弱いというところが一つあります。

    僕らが何もしなかったとしても、世の中には情報がたくさんあるわけですよ。

    教室で言えば、エアコンの音、扇風機の音、蛍光灯のちらつき、隣の子の衣服がこすれる音、廊下の足音。

    いろんな音、いろんな光、いろんな肌触りがあると思うんですよ。

    で、多くの定型発達の脳は、これを無意識に消しているんですね。

    必要な情報に注目することができるし、いらない情報を抑制する、シャットダウンすることができる。だから自分のやりたいことに集中できるわけです。

    発達障害の場合には、この無意識のフィルターが弱くて、音も光も何もかも、全部同じ強さで入ってきやすいと言われています。

    僕らも、勉強に集中しなきゃいけないときに横から声をかけられたら集中しづらいじゃないですか。

    テレビをつけながらの勉強ってしづらいじゃないですか。

    ああいう状況が常に起こっているのが発達障害だよね、と僕は思っています。

    結果として、フィルターがない状態というのは、脳の覚醒レベルを常に高く保つことを強いられている感じなんですよ。

    何もせずに座っているだけでも、情報の洪水を常に処理し続けている。

    だから、エネルギーの消費が定型発達の子供たちと比べて多いんです。

    帰宅時のエネルギー残量は「50」じゃなくて「10」

    動画のスライドには、あえて「桁違い」と書きました。

    エネルギーって目に見えませんからね。発達障害の中でも、すごく疲れる子とあんまり疲れない子がいると思います。

    ただイメージとしては、普通に使っているエネルギーのコスパがかなり良くない、という感じがあるのかなと思います。

    パソコンで言うと、同じ作業をしているのに、裏でたくさんのアプリが動きっぱなしでバッテリーがどんどん減っていく状態ですね。

    例えば、エネルギーの総量をみんな100持っているとします。

    定型発達の子供たちは、家に帰ってきた後も残量が50くらいある。

    でも、消費が早い発達障害の子供たちは、家に帰ってくると残量がもう10とかしかないんですよ。

    その10で「今からいろんなことをやろうね」と言われても、なかなか難しい。

    だから夕方帰ってきたときに爆発しちゃったり、無気力になっちゃったり、「もう充電したいよ」という気持ちになっている。それが現実なのかなと思っています。

    これは体力の問題だとよく言われるんだけれども、脳の燃料、エネルギーの問題なのかなと僕は捉えています。

    周りに合わせる「カモフラージュ」のコスト

    もう一個、特に女の子に多いんですけれども、人に合わせる、周りに合わせるコストというのも結構高いんです。

    発達障害の中でも自閉症と言われている子供たちの場合、相手の立場に立って考えることがちょっと苦手です。

    表情が読めなかったり、相手が何を考えているのか予測しづらかったりするところがありますね。

    ただ、そのままでいると「自分は変な人だと思われる」。それが嫌な子供はすごく多いんです。

    だから、笑うべきところで笑顔を作ったり、みんなと同じように振る舞おうとするわけですよ。

    みんなは何の気なしにやっている無意識の行動を、本人たちは直感じゃなくて、意識的に頭で考えて、ルールで補ってやっている。

    これをカモフラージュなんて言い方をします。その中でも「補償」と呼ばれるものですね。

    「普通に見られるように頑張ろう」としている行動そのものがエネルギーを消費する。

    そういう感情労働をした結果、帰宅後にもう疲れちゃうことが結構あるのかなと思います。

    昔は「女の子の発達障害は多くない」と言われていたんですけれども、正体はここにあって、女の子は「変な人だと思われたくない」という意識がやっぱり強い。

    頑張って合わせてきて、大人になった後に限界が来て、精神科に行くと発達障害ですと言われる。そんなケースが最近は増えていると言われています。

    少なかったわけじゃなくて、頑張って合わせていた。ここがすごく重要かなと思います。

    同じ教室で、この子の脳は2倍働いている

    学校では定型発達の子の2倍の負担を負っている。そんな研究がロンドンで実はありまして、2025年のかなり最新のものです。

    発達障害のある子供が学校で感じる感情的な負担は、定型発達の子の2倍くらいあると報告されています。

    ありがちなのが、ASD(自閉スペクトラム症)の子供たちは友達関係の誤解。言った言わない、友達にどう思われているか、そういうことが疲れになっている。

    ADHD(注意欠如多動症)の場合には、シンプルに先生から怒られたことが主な引き金になっていると言われています。

    同じ教室で同じ時間を過ごしていても、負担は大きくなりがちで、この積み重ねが限界につながるよね、というところがあります。

    エネルギーゲージを倍にできるんだったら同じように生活できるのかもしれないですけど、そういうのはやっぱり難しいですからね。

    さて、ここまでを一言で言うんだったら、こうです。

    フィルターがないから全部を処理して、桁違いの燃料を使っている。周りに合わせるために頭で補っている。だから負担は2倍になっている。

    本人の努力不足じゃなくて、脳の特性、配線の問題なんですよ。

    「もっと頑張れ」と言われがちですが、本人たちは意識していてもいなくても、もともと頑張っている状態なんです。

    疲れが限界を迎えると起きる2つのこと

    じゃあ、疲れると何が起きるのか。子供の頃に起きる要素としては、大きくこの2つです。

    • 感情の爆発(メルトダウン):些細なことで大泣きする、怒る、物に当たる
    • 完全無反応(シャットダウン):呼んでも返事がない、ぼーっとして動かない

    お父さんお母さんが昔体育会系だったりすると、こういう状態を見て「もうちょっと頑張れないのかな」「気合でどうにかなるんじゃないかな」と思っちゃうときもあると思います。

    体力がついたり、スポーツをやったりした結果、少し緩和されることもあります。

    ただ実際問題、これは神経の疲労によって機能を停止している状態なんです。

    鍛えれば補える部分も確かにあるんだけれども、もともとの脳の状態としてこうなりやすい。

    爆発も無反応も、「もう処理できないよ」と言っているサインなんですよ。

    表に見えている行動は氷山の一角で、その下に疲れが溜まっている。そう覚えておくのはすごく重要かなと思っています。

    家で荒れるのは、家が安全だから

    ありがちなのが、外ではいい子で、家で荒れる。

    逆のパターンもあるんですよね。学校では暴れん坊なんだけど、家ではいい子。

    基本的に、安全な場所で爆発する傾向が結構あります。

    学校で使い切った分が家に出ている。逆に、学校で発散してきた分を家で頑張って我慢している。そんなことがあります。

    なんで特定の場所では頑張っているのかというと、そこが安全じゃないからですよね。

    自分の気持ちを全部さらけ出せれば楽なんだろうけど、そうじゃないから、片方で我慢して、その反動がもう片方に出ている。

    学校では荒れていなくて家で荒れているパターンは、育て方の失敗じゃなくて、家が安心できる場所である証拠です。

    「育て方を間違えたのかな」は、ちょっと間違いです。家が今、安心できる場所、甘えられる場所だからこそ爆発しているんですよ。

    この爆発さえも出せる場所がなくなっちゃうと、本人たちもどこで爆発すればいいのかわからなくて、二次障害的に心を病んでいくことがあります。

    で、夕方に出せればまだいいんですよ。朝はブツブツ言いながらも、なんだかんだ学校に行く。

    ただ、積み重なると朝に出てくる。

    夕方の疲れが回復しないと、翌日起きられない、お腹が痛い、頭が痛い、体が動かない、行きたくない。

    登校しぶりの一部は、こういう疲れの積み重ねかなと思います。

    これが長く続くと自信を失うし、不安や落ち込みといった二次障害につながることもあります。

    発達障害のある子供たちに関しては、責める意識よりも、回復させる意識が大事なんです。

    回復を設計する4つのポイント

    じゃあ、どうやって回復させていくのか。ここからが今日の本題です。

    まずは大人から設計する

    これね、大人の方も、特にお父さんお母さんは結構ここを設計していない方が多いなと思います。

    お父さんお母さんの心の疲れは、子供にダイレクトに影響することもあります。

    子供も年齢が上がれば上がるほど、大人のちっちゃな機微に気づき始めますからね。

    モチベーションが高い方って「毎日頑張ろう」と思ってしまうんだけど、それを週3回くらいに抑えると、結構エネルギーが余る感覚があると思うんですね。

    今まで毎日頑張っていた人が、1日のどこかに休む時間を明確に作るようにすると、1週間から2週間くらいで回復してくる可能性が高いです。

    帰宅直後の「放電時間」を認める

    発達障害のある子の場合、「ランドセルを置いてすぐ宿題」はやめてもいいのかなと思います。

    帰ってきて最初の30分は何もしなくていい。寝っ転がってもいいし、好きな動画を見てもいいし、ゲームをしてもいい。

    動画やゲームは人によってはダメかなと思うかもしれないけど、長時間になるほど心に影響しやすいと言われているので、30分くらいならいいのかなと。夜になったらやめましょうね、という感じです。

    自分の中に溜まったストレスを放出する、放電する時間はあっていいと思っています。

    放電し終わった後の方が宿題がうまくいく家庭が多いな、という印象がありますし、頑張らせすぎると潰れやすくなります。

    僕の一番のおすすめは、学校から帰ってきたら、夕方も夜も勉強しなくていいんじゃないかな、ということ。

    ただし、朝ちょっと早く起きて、朝一で30分。1回寝てスッキリした上で集中してやりきっちゃった方がうまくいく。

    いろんなご家庭に話を聞いていて、朝活がうまくいっているご家庭は多いです。

    家の刺激を減らす

    刺激の調整は、療育の中で基本中の基本かなと思っているんですけど、できればお家でもやってほしい。

    帰宅直後のリビングでテレビがついたまま、というのは一回静かにした方がいいかもしれない。

    フィルターの弱い子には全部入ってきちゃうからこそ、遮音できるものを用意したり、自分が好きな感触や温度になれる場所を作ったり、光をダウンライトにしたり。

    チルタイムを作れる場所を用意してあげるのは、すごく重要なのかなと思います。

    「夜8時以降はダウンライトしかつけない」というお家は、結構うまくいっているなという感じがします。

    蛍光灯の白い光よりは、帰ってきた後は柔らかい光の方が良い印象がありますね。

    寝る・食べる・動く

    回復するためにすごく重要なのが、寝る、食べる、動くです。

    特に「動く」は、思ったよりやっていないお家が多いんです。学校で動いていると思うかもしれないけど、帰ってきた後もできればちょっとやってほしい。

    睡眠時間は最近の子供は減少傾向にあります。睡眠時間が短くなるとADHD的な傾向が出やすいと言われていますから、しっかり寝られるようにした方がいい。

    夜8時とか9時までYouTubeを見ていると寝にくいと思うので、その時間はスクリーンタイムを減らしましょう、というところは重要です。

    療育ってなかなか結果が出ないと言われるんですけど、手法の話じゃなくて、ルーティン、規則正しい生活をしっかりやることが一番の療育なのかなと僕は思っています。

    寝る、食べる、動く、スクリーンタイム。ここが崩れ始めると、本人の行動もちょっと変わってくるよね、というところがあります。

    予定を詰め込みすぎない

    もう一個、すごく大事なのが、予定を詰め込みすぎないこと。

    僕は、予定を詰めるよりも散歩をした方がいいなと思うことが結構多くて。

    河原とか、自然がちょっとある場所を一緒に歩く。何も考えずにただブラブラ歩く。

    こんなことをやると、結構回復するお家が多いです。

    定型発達の子はいろんな予定を詰めて「楽しいな」となれるかもしれないけど、発達障害の子は回復するのに結構時間がかかります。

    何もない空間を楽しめるくらいの余力を残しておく。それがすごく重要なのかなと思っています。

    ただ、こういうことをやっても崩れた状態が何週間も続く場合には、病院など専門のところに相談してみてもいいのかなという感じはします。

    まとめ:回復は根性じゃなく設計です

    今日お伝えしたかったのは、発達障害の子は怠けているんじゃなくて、脳がフィルターなしで働き続けているから疲れやすい、ということです。

    そして、回復は根性じゃなくて設計です。

    帰宅直後の放電時間、刺激を減らす、寝る食べる動く、予定を詰めない。こういうことを最初から1日の生活として設計しちゃった方がいいと思います。

    そうすると生活に張りが出てきて、うまくいくことが多くなってくるかなと思います。

    夕方爆発しやすい子、無気力になりやすい子がいた場合には、その瞬間だけの話じゃなくて、1日の中でできることをいろいろやっていってほしいなと思います。

    僕もね、この様子はすごくありました。

    家に帰った後に爆発していたし、だらだらとゲームをやり続けて、お父さんお母さんにすごく怒られた記憶があります。

    ただ、それは回復するために重要だったのかなと今は思います。

    現代は情報が溢れすぎていて「それは良くない」というものがいっぱいあるけれども、その子にとって回復できるものであれば全然いいと思います。

    疲れやすいことを念頭に置きつつ、回復を設計する。それだけで、夕方の景色は変わってきます。

    最後まで読んでくださってありがとうございます。

    また次の記事でお会いしましょう。皆様、良きライフを!

    ゆう先生
    相談支援員・児童発達支援員
    富山県富山市で児童発達支援、学習支援、相談支援などを行なっています。またYouTubeやInstagramなどでも療育のアレコレを発信中。
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