こんにちは、ゆうです。
子どもの「困った行動」に、頭を悩ませていませんか。
お母さんすぐ手が出てしまう



偏食が強くてまともに食事がとれない
「すぐ手が出てしまう」「授業中に立ち歩いてしまう」「偏食が強くてまともに食事がとれない」など、日々の生活の中で気になる行動が見られることがあるかもしれませんね。
こうした行動は、まわりの大人にとって対処が難しく、どうすればいいのか分からなくなってしまうこともあると思います。
でも、覚えておいてほしいことがあります。
「困った行動」には必ず理由や背景があり、その子なりの「生きづらさ」や「やりづらさ」が隠れています。ただ叱るだけではなく、その背景を理解して適切なサポートにつなげることで、行動は少しずつ変わっていきますよ。


今日の記事のゴールは、ただ「困った行動を理解する」だけではありません。
困った行動を「整理」して、次の一手(環境設定・見通し・プロンプト・ほめる)に具体的につなげるところまで、一緒にやっていきます。
あとで使える整理ツールも2つご紹介しますので、ぜひメモしながら読んでくださいね。
困った行動とは? 一番困っているのは本人
「困った行動」とは、子ども本人やまわりの大人が、生活の中で困難さや生きづらさを感じる行動のことを指します。具体的には次のようなものですね。
- 他人の持ち物を奪ったり、行動を制限してしまう
- 他人に危害を加える(叩く、噛む、物を投げるなど)
- 授業や習い事に参加できず、集団行動が難しい
- 偏食や特定のこだわりが強く、日常生活に支障が出る
これらの行動は、一見すると「わがまま」や「しつけ不足」に思えるかもしれません。でも多くの場合、子どもは意図的に「困らせよう」としているわけではないんですよ。
何らかの理由や困難さがあるからこそ、行動に出てしまうんですね。
療育の世界では、「困った行動をする本人が、一番困っている」という言葉がよく使われます。
本当にその通りで、その環境で適切な行動が取れずにもがいて苦しんでいるのは、誰よりも本人なんですよね。見えている行動は氷山の一角で、水面下には本人の困りごとが大きく隠れています。
だから支援は、その苦しみを大人が「理解」するところからスタートするんです。
【整理ツール①】頻度×困り度で優先度をつける


困った行動が起きると、つい「すぐにやめさせなきゃ」と焦ってしまいますよね。
でも、その前に一度立ち止まって、その行動がどれくらい影響を与えているのかを整理することが大切です。
全部に全力で対応しようとすると、大人のほうが先に倒れてしまいます。そこで使えるのが「頻度」と「困り度」で仕分けする考え方です。
| 困り度が高い | 困り度が低い | |
|---|---|---|
| 頻度が高い | 最優先ですぐ対応。まず安全確保。外部(学校・療育)と連携必須 | できれば早めに対応。環境設定で減らせることが多い。必要なら相談 |
| 頻度が低い | できれば早めに対応。起きたときの備えを決めておく。相談も検討 | まずは様子見でOK。家庭の工夫で解決することが多い |
たとえば「毎日のように人を叩く・噛む」は困り度も頻度も高いので、まず安全を守りながら最優先で対応し、学校や療育とも必ず連携したいところ。
一方「たまに授業中に立ち歩くけれど、声かけですぐ戻れる」なら困り度も頻度も低いので、あわてず家庭の工夫から試してOKです。
こうして優先度をつけるだけで、「何から手をつければいいか」がぐっと見えやすくなりますよ。
そして、対応する「場所」にも選択肢があります。


①家庭でできる対応(環境を整え、親が工夫する)、
②学校・園での対応(担任・支援員・特別支援教育コーディネーターと連携)、
③通所型の療育施設(短時間のプログラムで特定の課題に取り組む)、
④通園型の療育施設(継続的な支援で対人関係や生活スキルを育てる)。
困り度・頻度が高いものほど、家庭だけで抱えず②〜④の外部の力を借りるのがコツです。一人で背負わなくていいんですよ。
【整理ツール②】ABC分析で「なぜ」を見つける
優先度が決まったら、次は「なぜその行動が起きるのか」を整理します。
ここでおすすめしたいのがABC分析という考え方です。むずかしそうに聞こえますが、要は行動を「前・行動・後」の3つに分けて記録するだけ。
この3点セットで見ると、原因のヒントが驚くほど見えてきます。
- A:きっかけ(前) … 行動の直前に何があったか(例:ざわざわした、課題が難しかった)
- B:行動 … 実際に起きた困った行動(例:席を立った、物を投げた)
- C:結果(後) … 行動のあとに起きたこと(例:課題をやらずに済んだ、大人が注目した)
紙やスマホのメモに、こんな表を作って数回分書きためてみてください。これがそのまま整理ツールになります。
| いつ・どこで | A きっかけ(前) | B 行動 | C 結果(後) |
|---|---|---|---|
| 月曜 算数の時間 | 難しいプリントが配られた | プリントを破って立ち歩いた | プリントをやらずに済んだ |
| 火曜 帰りの会 | 先生が他の子を見ていた | 大声を出した | 先生がこちらに来て注目した |
数回書くと、「Aにパターンがある」「Cで本人が何かを得ている」ことが見えてきます。
上の例なら、算数のときは「難しいことから逃げたい」、帰りの会では「注目してほしい」という背景が透けて見えますよね。これが分かると、次の一手が的外れになりにくくなります。
行動の背景にある「4つの理由」
ABC分析で見えてくる「なぜ」は、だいたい次の4つに整理できると言われています。困った行動は、たいていこのどれかで本人が「得」をしている(またはイヤなことを避けられている)んですね。
- 要求:物や活動が欲しい(お菓子がほしくて泣く など)
- 注目:大人にかまってほしい(かまってほしくて大声を出す など)
- 回避・逃避:イヤなことから逃げたい(難しい課題から離れたくて立ち歩く など)
- 感覚:その刺激そのものが心地よい/不快を和らげたい(体を揺らす など)
「この行動は、どの理由で起きているのかな」と見立てられると、対応がぐっと具体的になります。
要求や注目が理由なら「別のやり方で伝えれば叶う」と教えればいいし、回避が理由なら「課題の難しさを調整する」ことが効いてきます。理由に合った一手を打つ。
これが整理をする一番の目的なんですよ。
整理を「次の一手」に変える4つの打ち手
さあ、ここが今日の本題です。整理して背景が見えたら、それを具体的な行動に変えていきましょう。基本の考え方は「子どもを責める」より「環境を整える」こと。打ち手は大きく4つあります。
① 環境設定(きっかけ=Aを変える)
ABC分析で見えた「A(きっかけ)」を、あらかじめ取りのぞいたり和らげたりします。
ざわざわが引き金なら刺激を減らす、難しさが引き金なら課題のハードルを下げる。行動が起きてから対応するより、起きる前に環境を整えるほうが、ずっとお互いに楽なんですね。
物を整頓してシンプルな空間にする、遮音カーテンや間接照明で刺激を抑える、といった工夫も効果的です。


② 見通しを持たせる
「次に何が起きるか分からない」という不安は、困った行動の大きな引き金になります。
一日の流れや手順を、絵・写真・文字などで目に見える形にしてあげましょう。
「あと2つやったら終わり」「終わったら好きな遊び」と見通しが立つだけで、落ち着いて取り組める子はとても多いんですよ。


③ プロンプト(代わりのやり方を教える)
困った行動でしか目的を叶えられないなら、「代わりにこうすればいいんだよ」という正しいやり方を教えて、そっと後押しする。
この後押しをプロンプトと言います。適切な行動を教わったことがないだけ、という子は本当に多いんです。だから「ダメ」で終わらせず、丁寧に説明して、復唱させて、できるように導く。
たとえば大声で注目を引く子には「『先生』って呼んでね」と伝え、言えたらすぐ応じる。こうして望ましい行動への置きかえを、少しずつ進めていきます。


④ 結果を変える(ほめる・塩対応)
行動の「後(C)」の対応を変えるのも強力です。
基本はやってほしい行動には大げさなくらい喜び、やってほしくない行動にはあえて薄い反応(塩対応)にする。良い行動ができたら、すぐに「今のやり方すごくよかったね」と伝える。
叱って正すより、成功体験を増やすほうが「こうすればうまくいくんだ」と学びやすいんですね。
逆に「泣いたらお菓子がもらえる」と学習してしまうと、泣く行動が定着します。注目やモノが目的の行動には、できる範囲で反応を薄くする。
ただし、叩く・噛む・物を投げるなど危険を伴う行動は「無視」せず、まず止めて安全を確保してくださいね。ここは塩対応の対象外です。


家庭で持っておきたい3つの土台
どの度合いの困った行動でも、家庭では次の3つを土台として意識してみてください。特別なことではなく、続けられることが一番大事です。
- 環境を整える:物を整頓してシンプルに。刺激が強いときは音や光をやわらげ、気持ちを切り替えやすくする
- 怒るより褒める:叱る回数より、成功体験を増やす。「できた」をその場で言葉にして返す
- 感情的にならない:親のイライラは子どもに敏感に伝わります。「まず一呼吸」「今日ぜんぶ直さなくていい」と自分に言い聞かせて
一度にすべてを変えようとせず、できることから少しずつで大丈夫です。スモールステップの積み重ねが、気づけば大きな成果につながっていきますよ。
一人で抱え込まないで
ここまで読んで、「理屈は分かったけど、うちの場合はどうすれば…」と感じた方も多いと思います。それでいいんですよ。困った行動への対応は、正直そんなに簡単ではありません。
だからこそ、心理士や特別支援教育士、療育施設のスタッフ、地域の子育て支援センターなど、専門家の力を借りながら進めることをおすすめします。


まとめ:整理できれば、次の一手が見えてくる
今日は、困った行動を「整理」して、次の環境設定・見通し・プロンプト・ほめるにつなげる方法をお話ししてきました。流れをもう一度おさらいしますね。
- 頻度×困り度で優先度をつける(どこから手をつけるか決める)
- ABC分析で「前・行動・後」を記録し、背景の理由(要求・注目・回避・感覚)を見立てる
- 見立てをもとに環境設定・見通し・プロンプト・ほめるの一手を打つ
子どもの困った行動は、まわりの大人が適切に理解してサポートすることで、必ず変化が起きます。
すぐに劇的な改善が見られないこともありますが、「今日できた小さな成功」を積み重ねることで、少しずつ子どもは成長していきます。
焦らず、決めつけず、その子に合った一手を探していきましょう。
そして、親も無理は禁物です。疲れたら専門家や支援機関を頼ってくださいね。
一人で背負わず、知恵を借りながら進んでいけば、必ず道は開けていきます。
もし今、行動のことで一人で悩んでいる方がいたら、どうか自分を責めないでください。あなたはもう、十分がんばっています。
最後まで読んでくださってありがとうございます。
また次の記事でお会いしましょう。皆様、よき療育ライフを。


