困りごとを理解する|子どもの発達障害や知的障害などを解説

こんにちは、ゆうです。

お子さんの「苦手なこと」や「感じ方の違い」に悩んでいませんか。

お母さん

集団行動がうまくいかない

お父さん

音や光に敏感で落ち着けない

たとえば、「集団行動がうまくいかない」「音や光に敏感で落ち着けない」「読み書きがどうしても苦手」など、日常の中でふと気になる場面があるかもしれませんね。

そんなとき、「これって私の育て方のせいなの」と自分を責めてしまったり、「うちの子はやる気がないんじゃないか」と感じてしまったりすることもあると思います。

でも、どうか安心してください。それはあなたの育て方のせいでも、お子さんのやる気のせいでもないことが、とても多いんですよ。

今日お伝えしたい結論を先に言うと、子どもの困りごとの多くは「その子が悪い」から生まれるのではなく、「その子の特性」と「まわりの環境」がかみ合っていないときに生まれるということです。

この「個と環境のマッチング」という考え方を知るだけで、お子さんへの見方も、家庭での工夫の仕方も、ぐっと変わってきます。じっくりお話ししていきますね。

目次

困りごとは「その子」ではなく「ミスマッチ」から生まれる

子どもの困りごとは、実は「個性そのもの」が問題なのではありません。

その子の特性と環境がうまくかみ合わないときに生じます。ここはとても大事なところなので、繰り返しお伝えしたいところです。

僕がいつもお話しするたとえに、氷山の一角というものがあります。

水面の上に見えている「困った行動」は、氷山のほんの一部分。

その水面下には、本人にもうまく説明できない「困りごと」が大きく隠れているんですね。

たとえば教室で立ち歩いてしまう子がいたとして、見えているのは「立ち歩き」という行動だけ。

でもその下には「まわりの音がうるさすぎて座っていられない」「何をすればいいか分からず不安」といった理由が隠れていることが多いんです。

この視点を持つと、お子さんが「困った子」ではなく「困っている子」に見えてきます。

責める対象だった行動が、「何かのサインなんだ」と読み取れるようになる。この見方の転換こそ、困りごとを理解する第一歩かなと思います。

まず知りたい、その子の「個性・特性」

子どもの個性や特徴は、一人ひとり本当に違います。ここでは、困りごとの背景になりやすい代表的な違いを3つ挙げてみますね。

どれも「良い・悪い」ではなく、その子がもともと持っているものだという前提で読んでください。

感覚の感じ方の違い(感覚処理)

多くの人には気にならない音や光の刺激に、敏感に反応して不快に感じてしまう子(感覚過敏)もいれば、逆に刺激に気づきにくい子(感覚鈍麻)もいます。

過敏な子にとっては、ざわざわした教室や蛍光灯の光が、私たちが想像する以上のストレスになっていることがあるんですよ。

同じ場所にいても、感じている世界がまるで違う。まずはそのことを知っておきたいですね。

得意・不得意の凸凹(でこぼこ)

得意と不得意の差がはっきりしていて、好きなことには驚くほど集中できるのに、苦手なことになると途端に手がつかなくなる子もいます。

これは「わがまま」でも「怠け」でもなく、能力の凸凹(でこぼこ)なんですね。パソコンにたとえるなら、WindowsとMacのように、そもそもの設計(OS)が違うようなもの。

得意な処理と苦手な処理がはっきり分かれているだけなんです。

コミュニケーションの取り方の違い

言葉を上手に使って楽しくお話しできる子がいる一方で、言葉の裏の意味や、その場の空気を読み取るのが難しくて、誤解されてしまうことが多い子もいます。

本人はまじめに受け取っているだけなのに「空気が読めない」と誤解される。これも本人の努力不足ではなく、受け取り方の特性なんですよね。

こうした個性や特徴は、何が良くて何が悪いというものではなく、もともとその子が持っているものです。

近ごろはニューロダイバーシティ(神経の多様性)という言葉で、こうした違いを「個性の一つ」として捉える考え方も広がってきています。

大事なのは、優劣ではなく「その子はどんな感じ方をしているのか」を知ることです。

環境が「困りごと」をつくることもある

では、その特性がどんなときに「困りごと」として表に出てくるのか。ここで環境の話が効いてきます。少し想像してみてくださいね。

音に過敏な子が、人がたくさんいてザワザワと音の多いお祭りの中で、気持ちよく過ごせるでしょうか。答えはNOですよね。

視力が弱い子に、メガネをかけさせないまま一番後ろの席で授業を受けさせて、黒板の内容を正しく理解できるでしょうか。これもNOです。

つまり、本人の「個性・特性」と「環境」が合わないと、その場で快適に過ごすことが難しくなるんです。

「ここは居心地が悪い」「やりづらい」と感じる場面が増えて、その結果として困りごとが表面化する。逆に言えば、環境さえ整えば、同じ子でも見違えるように力を発揮できるということでもあります。

メガネをかけて前の席に座れば、その子はちゃんと授業が分かるわけですからね。

「個と環境のマッチング」という考え方

ここまでの話をまとめると、困りごとを減らすうえで「個(個性・特性)と環境のマッチング」がとても大事だということが見えてきます。

個性を環境に合わせるか、環境を個性に合わせるか。どちらか、あるいは両方をうまく調整することで、子どもがのびのび成長できる可能性がぐっと増えるんですね。

ただ、ここで知っておいてほしいことがあります。もともと持っている個性や特性を変えるのは、とても時間がかかりますし、どんなに頑張っても変わらないこともあるということです。

感覚の過敏さや、生まれ持った脳のOSは、努力で無理やり書き換えられるものではありません。

Macに無理やりWindowsのソフトを入れようとして壊してしまう、そんなことになりかねないんですよ。

だからこそ、療育や発達支援で基本となる考え方は、「子ども本人(個)を変える」よりも「環境を整えて、特性を活かせるようにする」ことなんです。これは特別なことではありません。

目が悪い人がメガネをかける、足が不自由な人のためにスロープをつける。それと同じで、その子に合わせて環境の側を調整する、いわばバリアフリーの発想です。

学校で言えば、これが合理的配慮と呼ばれるものにつながっていきます。

個と環境がマッチすると、子どもは「自分はここで大丈夫なんだ」と安心できます。

安心できる場所では、苦手なことに使っていたエネルギーを、得意なことを伸ばす方向に回せるようになる。結果として、その子の可能性がぐんと広がっていくんですね。

家庭でできるサポートの工夫

「マッチングが大事なのは分かった。でも、家では具体的に何をすれば」と思いますよね。家庭は子どもにとって一番安心できる居場所であり、いろいろなことを練習できる場でもあります。

難しく考えず、できそうなものから一つずつで大丈夫です。いくつかヒントをご紹介しますね。

  • 刺激を調整する:感覚に過敏さがあるなら、テレビや生活音を少し下げる、まぶしさを抑える、イヤーマフを使うなど、不快な刺激を減らしてあげる
  • 見通しを持たせる:次に何をするかを絵や文字で示す、一日の流れを見える形にする。「分からない不安」が減るだけで落ち着ける子は多い
  • 指示は一つずつ、具体的に:「ちゃんとして」ではなく「くつを箱に入れてね」のように、短く具体的に伝える
  • ハードルを下げてスモールステップに:一気に完成を目指さず、小さな一歩に分ける。できたらすぐ認める
  • 得意なこと・好きなことを入り口にする:好きなことなら集中できる力を、苦手の克服にも少しずつ活かしていく

ポイントは、「できないこと」を数えるのではなく、「できること」と「できる環境」を増やしていくという発想です。

テストの点数のような数字だけでなく、生活の中で自分でできることがどれだけ増えたか、という適応の面で成長を見てあげると、お子さんの伸びを実感しやすくなりますよ。

うまくいったやり方が見つかったら、何度も繰り返してあげてくださいね。

お父さん・お母さん自身も、大切にしてください

ここまで家庭での工夫をお伝えしてきましたが、一番大事なことをお伝えします。

すべてを一人で背負わないでください。環境を整えるといっても、毎日そばにいる保護者の方が疲れきってしまっては、続けられませんよね。それでは本末転倒です。

育児に疲れたときは、専門家や支援機関を頼ったり、同じ悩みを抱える親同士が集まる場に顔を出してみたりするのもいいと思います。

知恵を借りながら進んでいくことで、一人では起こせなかった大きな変化が生まれることは本当によくあるんですよ。頼ることは、決して甘えでも手抜きでもありません。

お子さんを大切に思っているからこその、賢い選択です。

まとめ:その子が悪いのではなく、環境が合っていないだけ

今日は、子どもの困りごとをどう理解し、家庭でどんな工夫ができるのかを、「個と環境のマッチング」という視点でお話ししてきました。

この見方が身につくと、「なぜうちの子は…」と悩んでいた部分が、「そうか、こういう特性があるから、この環境だと苦手だったんだ」と分かってきます。

そして「じゃあ、どう環境を整えればいいか」が自然と見えてくるんですね。困りごとは、その子が悪いのではなく、特性と環境が合っていないだけ。

この一点を心に置いておくだけで、お子さんへのまなざしはずいぶん優しくなると思います。

その子の「できること」「得意なこと」を見つけて、環境を少しずつ整え、無理のないペースでサポートしていく。

それだけで子どもの笑顔は増えて、「ここなら安心できる」と感じられる場所や時間が増えていきます。もし今、一人で悩んでいる方がいたら、どうか自分を責めないでくださいね。

あなたはもう、十分がんばっています。

最後まで読んでくださってありがとうございます。

また次の記事でお会いしましょう。皆様、よき療育ライフを。

ゆう先生
相談支援員・児童発達支援員
富山県富山市で児童発達支援、学習支援、相談支援などを行なっています。またYouTubeやInstagramなどでも療育のアレコレを発信中。
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