こんにちは、ゆうです。
今日は「発達グレーゾーンと発達障害の違い」というテーマでお話ししていきたいと思います。
ゆう先生必要な方はメモなどを取りながら見てね!



分からないことがあればインスタでDMください。
こだわりがある、癇癪がある、多動や衝動性がある。
特性として見ると、発達障害とグレーゾーンは同じような要素を持っていることが多いんですよね。
なのに、片方は診断がついて支援を受けられて、片方は受けられない。
その差はどこで生まれているのかを、今日は解説していきます。
ちょうど秋口のこの時期は、学校や幼稚園から「生活で気になることがある」と言われて、病院や施設に電話される方が増えてくる時期です。
でも実際に病院に行ってみたら「様子を見ましょうか」と言われて、発達障害なのか、違うのか分からないまま。
そんな方にこそ読んでいただきたい内容です。


最初にお伝えしておくと、「グレーゾーン」は医学用語ではありません。
診断名ではなく、発達的な傾向はあるけれど基準に届かない状態を指す、いわば通称です。
そして結論を言うのであれば、2つを分けているのは「特性があるかどうか」ではなく「生活に支障が出ているかどうか」。今日はそんなお話です。
診断がつくのは「4つの条件」がそろった時
まず、診断がつく子はなぜ診断がついたのか。
発達障害の診断には国際的な基準があって、4つの条件をすべて満たした時に初めて診断がつきます。
- 症状の数が基準に届いている
- 幼い頃から始まっている(ADHDなら12歳より前から)
- 家庭や学校など、複数の場面で続いている
- 生活に明らかな支障が出ている(臨床的に意味のある機能障害)
この1〜4のどれかが欠けていると、発達障害とは診断されません。
例えば症状の数は基準に届いていても、症状が出てきたのが15歳や20歳になってから、という場合は診断基準に入らないんですね。
ただ、よくよく調べてみたら12歳より前から出ていた、となれば診断基準に入ります。
グレーゾーンは「特性はあるけど、基準に届いていない」状態
では、グレーゾーンとは何なのか。
一言で言うんだったら、特性はあるんだけど、基準に届いていない状態です。
こだわりや癇癪、感覚の過敏など、特性そのものは観察される。
でも、チェック項目が部分的には当てはまるけど、当てはまらないものもある。
家庭では出るけど、学校では出ていない。
毎朝の登校前の癇癪がひどい、こだわりが強すぎてご飯が食べられない、というほどではなく「まあ、なんとかなっている」。
こういう場合に、グレーゾーンと言われてしまうんです。



うちの子、特性はあるのに「様子見」って言われた…
ここまで聞くと「グレーゾーンなら大丈夫そう」と思う方もいるかもしれません。
でも大事なのは、診断されていないからといって、困り感が軽いわけではないということです。
同じような特性があって、同じように困っている。
ただ、環境や本人の努力でギリギリ保っていると、診断がつかなくなってしまう。
つまり頑張っているからこそ、診断されないということが起こるんです。
ASDとADHDの「症状の数」の基準
1つ目の条件の「症状の数」について、分かりやすいASDとADHDを例に挙げてみます。
ASD(自閉スペクトラム症)
社会的コミュニケーションの3項目をすべて満たし、かつ、こだわりや感覚の4項目のうち2つ以上が該当していることが条件です。
特にASDの場合は、社会的コミュニケーションの項目が大きいんですよね。
ADHD(注意欠如・多動症)
不注意の9項目のうち6つ以上、または多動・衝動の9項目のうち6つ以上が、6か月以上続いていること。
さらに12歳より前からあって、家庭と学校など2つ以上の場面で出ていることが条件です。
「お家でも走り回っているし、学校でも走り回っている」といったイメージですね。
こうしたチェック項目がすべてそろって、初めて診断されます。
1つでも満たされない項目があると「ASDとまでは言えないかな」となる。
でも本人の困りごとは変わらない、というのがグレーゾーンの難しさです。
頑張っているから見えない、グレーゾーンの正体
4つの条件の中でも、発達障害とグレーゾーンの分かれ目として分かりやすいのが、4つ目の「生活の支障」だと僕は思っています。
ところがこの生活の支障は、本人の努力や周りのサポートで見えなくなることがあるんです。
- 知性で補う:IQが標準以上で言葉の理解が高い子は、特性をカバーしてしまう
- カモフラージュ:特に女の子は周りに合わせる行動が多くなりやすい
- 保護者が完璧にカバー:忘れ物や提出物を、お家の方が全部フォローしている
こうなると、学校では「この子はちゃんと忘れ物もしないし、提出物もしっかりしていますよ」となります。
医師の前でも、学校生活が崩れている証拠になりません。



学校では「問題ない」って言われるのに、家に帰ると癇癪がすごいんだよな…
外では普通に見えるのに、お家に帰ると癇癪がひどい。
これは、水面の上に見えているのが氷山の一角で、その下に大きな困りごとが隠れているのと同じです。
本当は困っているのに、頑張っているから見えないだけ。
これがまさに、グレーゾーンの正体なのかなと僕は思っています。
逆に、本人は困っているけど、周りが困り感をあまり感じていなくて気づかれない、というパターンもあります。
ここまでをまとめると、診断は特性の有無ではなく、生活に支障が出ているかどうかが大きな判断材料になっている可能性が高い、ということです。
逆に言えば、支障が出る前に環境を整えれば、診断がなくても子どもは楽になります。
診断が出た後も、環境を整えてあげれば楽に生活できる可能性が高くなる。
子どもを変えようとするだけでなく、周りの環境を整えることが大事なんですね。
なぜお医者さんによって診断が変わるのか
ある子は発達障害と言われ、ある子は「様子を見ましょう」と言われる。
これは病院の先生を責める話ではありません。
診察室の30分や1時間の中で判断するのは、僕は本当に難しいと思うんです。
血液検査で血液型が分かるように、はっきりした指標で分かればいいんですけど、そうではありません。
その時の本人の様子と、お父さんお母さんから聞いたことをもとに、最終的に判断するわけです。
診断が分かれる理由として、僕は次の4つがあると考えています。
① マスキング
知的に高い子や女の子は、初めて会うお医者さんの前でうまくカモフラージュできてしまうことがあります。
「親御さんは困っているけど、受け答えはしっかりしているな」と見えてしまうパターンですね。
② 診察室の限界
病院は静かな1対1の空間なので、落ち着いて話せてしまいます。
30人の学級になって初めて、過敏や不注意が出る子もいるんです。
③ 情報の出どころ
問診票は、親や担任の受け止め方で点数が動きます。
たくさんの子を見ている学校の先生は「これくらいなら大丈夫」と思っても、お家の方から見ると結構大変、ということもありますよね。
④ 医師の方針
早めに診断して支援につなげた方がいいと考えるお医者さんもいれば、「これは経過観察でしょう」と考えるお医者さんもいます。
お医者さんも一生懸命見ようとしているけれど、限られた情報の中で判断しなければいけない。
適当なことは言えないからこそ、「グレー」という判断になるパターンもあるのかなと思います。
検査はあくまで「補助ツール」
この時期よくあるのが、WISCや田中ビネーなどの検査を受ければ、発達障害かどうか分かると思っている方です。
でも、検査はどれも補助ツールなんです。
WISCや田中ビネーは知能検査、つまりIQを測る検査で、発達障害を断定するものではありません。
WISCの指標の凸凹から「発達の偏りがあるかな」と見ることはできます。
ただ、それは知的な能力の一部分を見ているだけで、その子の全体を見ているわけではないんですね。
ほかの検査にも、それぞれ限界があります。
- ADOS-2:自閉症の評価で直接観察をするけど、1対1の場面に限られる。マスキングが得意な女の子は基準未満に出ることがある
- Conners(コナーズ):ADHDの評価に使う質問紙。親と教員の点数がずれやすい
同じ子でも、受けた時期や場所、誰が答えたかで結果が動くんです。
だからこそ一番大事なのは、診断がつくかどうかよりも、本人がどこで困っていて、どんな摩擦が起きているのかを親が言葉にできることかなと思います。
お医者さんも、その情報をもとに診断書を作ってくれるわけです。
僕がおすすめしているのは、困りごとがあった時に日付も含めてメモを残しておくこと。
細かな点でいいので書き溜めておくと、グレーなのか障害なのかが明確になりやすいのかなと思っています。



それなら今日からメモを取ってみようかな!
診断がなくてもできること
グレーゾーンと言われて困ったな、という時にもできることはちゃんとあります。
合理的配慮と受給者証は取得できる
合理的配慮は、学校との話し合いで合意ができればOKになります。
例えば聴覚の過敏がある子がイヤーマフをつける、席の位置を移動するなど、物理的に解決できる方法があるなら、ぜひ学校の先生に話してみてください。
また、病院で自閉スペクトラム症やADHDの診断まではつかなくても、経過観察として意見書をいただければ、受給者証を取得して本人に合った支援を受けられるようになります。



診断がなくても、使える支援があるんだね。
診断がないと難しいもの
一方で、自治体によって差があって、手に入らないものもあります。
通級や自閉症・情緒障害特別支援学級などは、診断書を求められる場合があるので、グレーの子は入れないパターンもあります。
各種手帳や扶養手当などは、明確な診断がないと難しいかなと思います。
本当に必要な場合は、診断名をしっかりつけてもらうために、必要な情報を整理していくことが大事ですね。
病院の予約と並行して、相談先を広げる
病院は初診まで数か月待ち、ということも結構あります。
なので、病院の予約を取りつつ、同時に市の発達相談の窓口や教育相談などに話してみるのがいいかなと思います。
僕自身も「にこにこ学習塾」という、発達に特性のある子も通う学習塾を運営しています。
そういうサードプレイスを試しに使ってみるのも、一つの方法ではないかなと思います。
診断を取るメリット3つと、正直な懸念
グレーゾーンの子が診断を取ると、どんないいことがあるのか。
- 親の自責感が減る:「私のせいかな」と思っていたことが、もともとの特性だと分かると、子どもに優しくなれる
- 学校との配慮の話が早く進む:「こういう配慮をしてください」が言いやすくなる
- 二次障害を防げる可能性:支援につながることで、失敗や叱られる経験の積み重なりを防げる
グレーゾーンの子は、支援を受けられないまま自分で頑張ろうとして、失敗や叱られる経験が積み重なり、二次障害になりやすいと言われています。
ただ、懸念もあります。
自分に障害があることを受け入れづらい子もいますし、周りからどう見られるかを気にするお父さんお母さんもいます。
落ち込みやすい子の場合は、診断名をはっきりつけない方がいいパターンもあるのかなと思います。
また、民間の生命保険や医療保険では、診断がつくと告知事項になり、制限がつく場合があることも覚えておいてください。
病名ではなく「取扱説明書」として伝える
いつかは本人に伝えなきゃいけない時が来ます。
その時、診断名をそのまま伝えて本人が「そうなんだ」と思えればいいんですけど、そうじゃない可能性も結構あります。
だから最初は「目で見ると覚えられるけど、耳だけだと疲れるよね」のように、オブラートに包んで伝えるのが大事かなと思っています。
病名ではなく、自分の取扱説明書として伝える。
子どもが納得できる言葉を使ってほしいなと思います。



ぼく、目で見る方が覚えやすいんだ!


まとめ:分かれ目は「特性」ではなく「生活の支障」
発達障害とグレーゾーンの違いは、特性があるかどうかではありません。
特性があるのはどちらも同じで、生活に支障が出ているか、その場面を見てもらえたかで分かれてしまいます。
診断がついた方が本人が楽になりそうなら、いろんな情報をしっかり集めてください。
グレーゾーンのままがよさそうな場合でも、本人をサポートできることはたくさんあるので、ぜひ動いてみてください。
実はこの動画を撮った日、僕は少し調子が悪くて、頭があまり回っていなかったんです。
頑張ってどうにかなる時もあるけど、人間、頑張ってもどうにもならない時もいっぱいあります。
無理をさせすぎず、休み休み、ゆとりを持って育てていってほしいなと思っています。
最後まで読んでくださってありがとうございます。
また次の記事でお会いしましょう。皆様よき療育ライフを。


