ASD自閉症の子どもがコミュニケーションが苦手な理由を解説
こんにちは!療育の先生、ゆうです。
今日は、自閉スペクトラム症(ASD)の子どもたちが人との関わりが苦手な理由、そしてその理由から生じるつまずきについてお話しします。
コミュニケーションが苦手な理由とは?
前回の動画で、自閉スペクトラム症は一言で表すと「コミュニケーションの障害」と言えるという話をしました。
今回は、なぜ彼らがコミュニケーションが苦手なのかを具体的に説明していきます。
まず、大事な前提としてお伝えしたいのは、コミュニケーションが苦手だからといって、コミュニケーションが嫌いというわけではないということです。
彼らは人との関わりが苦手なだけで、人が嫌いなわけではありません。
発達障害全般に言えることですが、これらは脳の機能障害によって引き起こされるものであり、本人が意図しない反応や、過剰な解釈が生じることがあります。
意思の疎通が難しい
まず一つ目の理由として、「意思の疎通が難しい」という点が挙げられます。
例えば、人から話しかけられたとき、どう反応すればいいのかがすぐに思いつかないことがあります。
また、自分の言葉が相手にどう伝わるのか、どのような影響を与えるのかを的確に想像することが難しいのです。
そのため、悪気なく無神経な発言をしてしまうこともあります。
こういったコミュニケーションの難しさが原因で、相手との間に摩擦が生じやすくなります。
特に、同年代の子どもたちの間では、「あの子は変わっている」と避けられることもあります。
その結果、ますますコミュニケーションの機会が減り、意思の疎通がさらに難しくなってしまうことがあります。
表情の理解が難しい
自閉スペクトラム症の子どもたちは、相手の表情を読み取るのが苦手なことが多いです。
例えば、相手が怒っているかどうか、喜んでいるかどうかといった感情を表情から読み取ることが難しく、結果として相手の気持ちに敏感に対応できないことがあります。
このため、親が怒っていることに気づかず、いつも通りの反応をしてしまい、親がさらに強く怒ってしまうという悪循環が生じることもあります。
こだわりが強いことによる影響
二つ目の理由として、「こだわりが強いこと」が挙げられます。
自閉スペクトラム症の子どもたちは、新しいことや未知のことに対して恐怖を感じやすく、そのため、いつも同じ場所、同じ人、同じルーティンに固執することで安心感を得ようとします。
これは、彼らが日常生活での不安を少しでも和らげようとする行動の一環です。
しかし、この強いこだわりが周囲とのコミュニケーションを難しくしてしまうことがあります。
例えば、毎日同じ服を着なければならない、毎日同じものを食べなければならないなど、周囲の人が対応しにくい状況が生まれます。
このようなこだわりは、特に小学校や幼稚園などの集団生活の場で、他の子どもたちとの関わりにおいて障害となることが多いです。
まとめ
以上のように、ASDの子どもたちがコミュニケーションが苦手な理由として、「意思の疎通が難しいこと」と「こだわりが強いこと」が挙げられます。
これらの特性を理解し、彼らが無理なくコミュニケーションを取れるようにサポートすることが重要です。
彼らの特性を理解し、適切な対応を心掛けることで、より良いコミュニケーションが築けるはずです。今回の内容が少しでも参考になれば幸いです。