発達支援

DCD発達性協調運動症の子どもの特徴を解説|子供の発達障害解説

yuu

こんにちは!ゆう先生です。

本日は「DCD(発達性協調運動障害)」のお子さんの特徴についてお話しします。

「うちの子、運動会や縄跳びが苦手で、自転車にもなかなか乗れない…」と心配になったことはありませんか?

DCDのお子さんは、運動スキルや日常的な動作を身につけることが他の子より難しく感じられる状態ですが、それは決して努力不足のせいではありません。

脳の働き方に特性があり、体をうまく動かすための指令や計画が苦手になりやすいのです。

DCDの子どもたちは知的発達や筋力に大きな問題があるわけではないのに、「動作を思い通りにコントロールできない」ことが多いのが特徴です。

その結果、運動自体に苦手意識をもったり、着替えや食事などの日常動作に時間がかかったりしてしまいます。

ただし、正しい理解とサポートを受けることで、少しずつ「できること」を増やしていける可能性は十分にあります。

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DCDの3つの主な特徴

(1) 運動スキルが苦手


たとえば、ボールを投げたりキャッチしたりするタイミングが合わず取り損ねてしまったり、縄跳びを跳ぶリズムがつかめず周りの子と比べて進みが遅かったりします。

バランス感覚が必要な自転車や平均台も難しく感じやすいため、体育の授業などで自信を失う場面が多くなることも。

こうした運動上の不器用さは「意欲がない」「怠けている」わけではなく、脳の運動制御機能がうまく働きにくい特性によるものです。

周囲が理解し、焦らせず少しずつ練習機会を提供してあげると、本人の負担も軽くなります。

(2) 日常動作に時間がかかる

DCDのお子さんは、着替えなど細かい動きが必要なシーンに苦手意識を持ちやすいです。

靴ひもがうまく結べない、ボタンをはめるのにとても時間がかかる、食事中に箸やフォークをスムーズに扱えず食べこぼしが多いなど、身の回りの動作に戸惑いを感じることがあります。

また「次に何をすればいいのか」が頭で整理しにくい場合もあり、朝の支度などの一連のタスクを滞りなくこなすのに苦労しがちです。

視覚的なチェックリストなどを使って動作の手順を示してあげると、見通しが立ちやすくなるでしょう。

(3) 目と手の協調動作が苦手

手先の不器用さもDCDの特徴の一つです。折り紙や裁縫、図形を描く、定規で線を引くなど、視覚情報を手の動きにつなげる作業が難しく感じられることがあります。

文字を書くときの筆圧が安定しなかったり、細かい絵を描くときにバランスがとりにくかったりするのはこのためです。

「こうすればうまくいく」と頭ではわかっていても、実際の手足の動きがそれに追いつかないことが多いので、作業を細かいステップに分けて練習し、「できた!」という小さな成功を積み重ねてあげることが大切です。

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(1) 小さな成功体験を増やす

まずは子どもが「できた!」と感じられる場面を意図的につくることが鍵です。

たとえば靴ひもを結ぶ練習なら、最初から完璧を求めるのではなく、片方のひもだけゆるく結んでみるところから始め、少しずつハードルを上げます。

難易度の低いボール遊びや、家族みんなで楽しめるダンスや体操などを取り入れるのも、「動くこと」に対する抵抗を和らげる良い手段です。

(2) 道具や環境を工夫する

ペンやハサミなどの文房具は、グリップ付きや太めのタイプを使ってみると操作しやすくなる場合があります。

マジックテープの靴を選ぶ、箸を使うのが難しければフォークやスプーンを組み合わせた練習をする、というように道具そのものを工夫してあげることも大切です。

また、視覚的なサポートとしては、チェックリストやピクトグラム(絵カード)で「やるべき手順」を一目でわかるように示す方法があります。

朝の支度であれば「顔を洗う→服を着る→朝ごはんを食べる→歯みがき→靴を履く」という工程をイラストと一緒に貼り出しておくと、子どもが見ながら確認できるようになります。

(3) 専門家の力を借りる

DCDは作業療法士や特別支援教育の専門家のサポートを受けることで、子どもに合った練習プランや補助ツールを提案してもらえる可能性があります。

特別支援学級や通級指導教室で、個別に指導を受けられるケースもあるため、担任の先生や特別支援コーディネーターへ相談してみましょう。

学校だけでなく、地域の療育センターや医療機関と連携して必要なサポートを整えていくことが大切です。

まとめ

本日は「DCD(発達性協調運動障害)」のお子さんの特徴についてお話ししました。

DCD(発達性協調運動障害)のお子さんは、運動や日常的な動作が難しく感じられるため、周囲からは「不器用だな」「なぜこれができないの?」と見られがちです。

しかし、それは子ども自身の努力不足やわがままではなく、脳の動きの特性によるものです。

焦らずに子どものペースに合わせた練習方法を探り、少しずつ「できる!」という達成感を増やすことで、子どもの自己肯定感は高まっていきます。

「以前より上手になったね」「最初はできなかったけれど、今日はここまでできたね」と、ほんの小さなステップアップでも一緒に喜んであげることが何より大切です。

また、DCDのお子さんは運動以外の分野で驚くほどの力を発揮することも少なくありません。

周囲と協力しながら、長所や得意なことを見つけて伸ばしてあげると、子どもの未来はもっと輝いていくでしょう。

お子さんのペースを大切に、一歩ずつ前進していきましょう。

最後お読みいただき、ありがとうございます。

ABOUT ME
ゆう|Yuu
ゆう|Yuu
子どもの発達の専門家
現役児童指導員。一般社団法人dil理事。年間300回以上、通算2000回以上の療育。児童発達の専門家。富山県内の療育施設で主に児童・幼児の療育を行っています。
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