発達支援

ASD自閉スペクトラム症の子どもの特徴を解説|子供の発達障害解説

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こんにちは!ゆう先生です!

本日は「ASD(自閉スペクトラム症)」のお子さんの特徴についてお話しします。

ASD(Autism Spectrum Disorder、自閉スペクトラム症)とは、生まれつき脳の働き方に特性がある状態を指し、「スペクトラム」という言葉が示す通り、その特性の現れ方は人によってさまざまです。

なかにはコミュニケーションが苦手なお子さんもいれば、一部の分野に驚くほどの才能を発揮するお子さんもいます。

「自閉」という言葉から、「閉じこもりがち」「まったく親の言うことを聞かない」というイメージを抱く方もいらっしゃるかもしれません。

しかし実際は、相手の声掛けに気づきにくかったり、周りに関心を示しにくいことなどが“外から見てそう見える”場合があるだけで、お子さん自身に悪意があるわけではありません。

ASDは「病気」ではなく、生まれ持った脳の特性です。まずはその特性を理解し、お子さんが安心して生活できる環境を整えていくことがとても大切になります。

本日は、それらを踏まえて「ASD(自閉スペクトラム症)」のお子さんの特徴についてお話しします。

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ASDの3つの主な特徴

(1)コミュニケーションや対人関係のつまずき

相手の気持ちを読み取るのが難しい
たとえば、冗談や皮肉をそのまま受け取ってしまい、言外の意味を察するのが苦手というケースがあります。

会話のキャッチボールがぎこちない
一方的に話し続けたり、逆にまったく答えなかったりするなど、やり取りにズレが生じやすいです。

周りへの関心が薄いように見える
保育園や学校でも一人で遊ぶことが多く、「友だちと一緒に盛り上がる楽しさ」をなかなか実感できないこともあります。

(2)こだわりが強く、変化に弱い

特定のものや活動に強い興味を示す
例えば電車や恐竜の話になると、何時間でも話し続けるなど、とても深く集中できる反面、その話題以外にはあまり興味を示さないことがあります。

環境や予定の変化に戸惑いやすい
いつもと違う道を通るだけで不安になったり、予定が変わった時にパニックを起こしてしまったり。周囲には「なぜそこまで?」と思われがちですが、本人にとってはとても大きなストレスです。

(3)感覚の過敏さまたは鈍感さ

音や光、匂いに対する強い反応
掃除機の音が怖くて耳を塞いだり、コンビニの蛍光灯がまぶしすぎて落ち着かないなど、過敏さが見られることがあります。

痛みや寒さ、暑さに鈍感
転んでもあまり気にしない、真冬でも半袖半ズボンで平気など、通常の感覚と違う部分があるため、体調管理が難しい場合もあります。

家庭でできるおすすめ支援3選

(1)視覚的サポートで安心感を

ASDのお子さんは、言葉だけの説明よりも「目で見てわかる」サポートがあると安心しやすくなります。

スケジュールを見える形に
たとえば、ホワイトボードやカレンダーに「何時になったら○○しようね」と書いたり、イラストを貼ったりして、1日の流れをわかりやすく示します。

視覚支援ツールを活用
時間を区切るタイマーや写真カードなどを使えば、次にやることが明確になり、お子さんが戸惑いにくくなります。

(2)こだわりや興味を伸ばす

「こだわりすぎて困る」と思うかもしれませんが、ASDのお子さんは特定の分野に深い集中力や知識を持っている場合も少なくありません。

得意分野を認めてあげる
電車の模型が好きなら、路線図を一緒に作ってみるなど、親子で取り組んでみてください。得意を伸ばすことで自信を育めます。

少しずつ世界を広げる
こだわりの時間を大切にしながらも、ほかの興味につながるような工夫をしてみるのもおすすめです。

(3)感覚の違いへの配慮

お子さんが落ち着ける環境を整え、日常生活が少しでも快適になるようサポートしましょう。

防音グッズやタグなしの服を試す
過敏な音を遮断するイヤーマフや、肌触りの良い衣類など、お子さんに合ったアイテムを見つけてあげると負担が減ります。

快・不快を尊重する
「普通は○○なのに」と大人の感覚を押しつけるのではなく、「この子はこれが苦手なんだ」と受け止め、無理のない対応を心がけましょう。

まとめ

本日は「ASD(自閉スペクトラム症)」のお子さんの特徴についてお話ししました。

ASDは、一見「大変そう」「どうしたらいいの?」と思われがちですが、実はお子さん一人ひとりが素晴らしい個性や才能を秘めています。

大切なのは「得意」と「苦手」を把握しながら、お子さんが安心して過ごせる環境を整え、必要な支援を上手に取り入れていくことです。

もし、「これってASDかもしれない」と感じたり、不安になったりしたときは、専門家や児童発達支援センターなどに相談してみましょう。

適切なサポートを早めに受けることで、お子さんの自信を育てながら、家族みんながより前向きに日常を過ごせるようになるはずです。

「他の子と違う」と焦るよりも、「うちの子の魅力は何だろう?」「どうやったら伸ばせるかな?」という視点で、お子さんと一緒に一歩ずつ成長していきましょう。

お子さんが安心して“自分らしさ”を発揮できるよう、親御さんが一番の応援団となって寄り添ってあげてくださいね。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

ABOUT ME
ゆう|Yuu
ゆう|Yuu
子どもの発達の専門家
現役児童指導員。一般社団法人dil理事。年間300回以上、通算2000回以上の療育。児童発達の専門家。富山県内の療育施設で主に児童・幼児の療育を行っています。
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