ASD自閉症の子どもの時間や予定の構造化をしよう(TEACCHプログラム)
こんにちは、療育の先生、ゆうです。
今回は、TEACCHプログラムに基づく「時間の構造化」についてお話しします。
前回は、空間の構造化についてお伝えしましたが、今回はそれに続いて、生活時間をパターン化し、安心して生活できるような環境を作る方法を紹介します。
TEACCHプログラムは、アメリカで開発された、自閉症児のための治療や教育のプログラムです。
このプログラムの基本的な考え方は、「自閉症児本人を変えるのではなく、周りの環境や支援者の行動、接し方を変えることで、社会的な適応を促進する」というものです。
時間の構造化とは?
TEACCHプログラムでは、生活環境や時間の構造化を行うことで、自閉スペクトラム症(ASD)の子どもたちが不安なく、規則正しく生活できるようにサポートします。
時間の構造化とは、日常生活のスケジュールを視覚的に分かりやすく提示し、いつ何をするのかを明確にすることです。
時間の構造化の重要性
ASDの子どもたちは、見通しが立たない物事や不確定な状況に対して不安を感じやすく、パニックに陥ることがあります。
そのため、時間の構造化によって、生活の中で何がいつ起こるのかを明確にし、安心感を提供することが重要です。
スケジュール表とカレンダーの活用
まず、家庭で取り入れられる具体的な方法として、スケジュール表やカレンダーを活用することをお勧めします。
スケジュール表: 家の中の見やすい場所に、1日のタイムスケジュールを貼りましょう。
例えば、7時に起床、8時に学校、15時に帰宅、18時に夕食、20時に就寝など、時間ごとに予定を明示します。
これにより、子どもは何をすべきかが一目で分かり、安心して行動できるようになります。
カレンダー: 1か月の予定を視覚的に示すカレンダーも非常に有効です。
学校や塾の日、特別な予定(例えば、歯医者の予約)などをカレンダーに書き込み、子どもがその日何があるかを事前に把握できるようにします。
予定があらかじめ分かっていれば、突然の予定に対する不安も軽減されます。
時間のパターン化の効果
時間の構造化によって、子どもたちは一日の流れを理解しやすくなり、見通しが立つことで安心感を得ることができます。
これにより、日常生活の中で不安が減り、自己管理能力が向上します。また、家族全員で同じスケジュールを共有することで、家庭全体の一体感も高まります。
予定の変更には注意
時間の構造化を行う際には、予定の変更に注意が必要です。
子どもたちは、決まった予定が急に変わると不安を感じることが多いため、可能な限り予定の変更は避けるようにしましょう。
やむを得ず変更が必要な場合は、できるだけ早めに知らせ、子どもがその変更に慣れる時間を与えることが大切です。
絶対に予定変更をしてはいけない!というわけではないですが、極力減らすのが良いと捉えて頂ければ幸いです。
まとめ
時間の構造化は、ASDの子どもたちが安心して生活するために非常に重要な手段です。
スケジュール表やカレンダーを活用し、日常生活の中で何がいつ起こるのかを明確に示すことで、子どもたちは規則正しい生活リズムを築くことができます。