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ASD自閉症の子どもの生活環境や空間の構造化をしよう(TEACCHプログラム)

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こんにちは、療育の先生、ゆうです。

今日は、家庭で取り入れられる簡単な「TEACCHプログラム」の入門編として、生活環境や空間の構造化について解説します。

TEACCHプログラムとは?

まず、TEACCH(ティーチ)プログラムについて簡単に説明します。

TEACCHプログラムは、アメリカで開発された、自閉症児のための治療や教育のプログラムです。

このプログラムの基本的な考え方は、「自閉症児本人を変えるのではなく、周りの環境や支援者の行動、接し方を変えることで、社会的な適応を促進する」というものです。

TEACCHプログラムにおいて、最も重要な要素の一つが「構造化」です。

構造化とは、一言で言えば、「目で見えるようにする」ことです。

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今回は、家庭の空間をどのように構造化していくかについてお話しします。

目的別に環境を構造化する

自閉スペクトラム症の子どもたちは、こだわりが強く、変化や不確定な状況に対して不安を感じやすい傾向があります。

これに対処するために、部屋の用途を明確に分けることが非常に効果的です。

例えば、遊ぶための部屋、勉強するための部屋、寝るための部屋をそれぞれ区別する。

このように目的別に分けることで、子どもたちはその部屋に入るときに何をすべきかがはっきりと理解でき、安心して過ごせるようになります。

ポイント1:多目的スペースは避ける

一つの部屋に遊び、勉強、寝る場所を混在させると、子どもたちは混乱しやすくなります。

可能であれば、各部屋を明確な目的に沿って分けるようにしましょう。

ポイント2:部屋数が限られている場合の工夫

部屋の数が限られている場合は、パーテーションを使ってエリアを区切り、スペースごとに異なる用途を設定します。

例えば、勉強する場所にはパーテーションを設置して、視覚的に遊びのスペースを遮断することで、集中しやすくします。

構造化がもたらす効果

構造化によって、子どもたちは「どこで何をするのか」が明確になり、不安が減少します。

その結果、集中力が高まり、生活がしやすくなります。特に、自閉症の子どもたちにとって、環境が構造化されていることは、成長の基盤を作る上で非常に重要です。

配置や模様替えに対する注意点

次に、部屋の配置や模様替えについての注意点です。

頻繁な配置替えは避ける: 自閉症の子どもたちは、環境の変化に対して非常に敏感です。配置や模様替えを頻繁に行うと、子どもたちがパニックになったり、不安を感じたりすることがあります。

必要があって配置を変える場合は、事前に子どもに知らせることが重要です。

配置替えの際の工夫: 例えば、家具の配置が変わる場合は、事前に絵や図で子どもに新しい配置を見せ、変化を予測できるようにします。

これにより、子どもたちは安心感を持って新しい環境に適応しやすくなります。

まとめ

TEACCHプログラムの基本である「構造化」は、ASDの子どもたちが安心して生活できる環境を作るために不可欠です。

部屋の用途を明確にし、環境の変化を最小限に抑えることで、子どもたちはより良い生活リズムを築くことができます。

この方法をぜひ家庭で取り入れてみてください。

ABOUT ME
ゆう|Yuu
ゆう|Yuu
子どもの発達の専門家
現役児童指導員。一般社団法人dil理事。年間300回以上、通算2000回以上の療育。児童発達の専門家。富山県内の療育施設で主に児童・幼児の療育を行っています。
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