ASD自閉症の子どもに指示するときは、視覚提示を活用する
こんにちは、療育の先生、ゆうです。
今日は、自閉スペクトラム症(ASD)の子どもたちとのコミュニケーションをスムーズにするために、「視覚提示」をどのように活用するかについて解説します。
自閉スペクトラム症の子って、コミュニケーションがちょっと苦手だよね。でもお話ししましたが、
イメージ的には、自分が朝、目を覚ましたら、インドにスマホもなしで連れてこられていて、どうすれば良いか分からなくて困っている。
言葉は分からない。だから、目で理解できるものに、こだわったり、それが全てと思ってしまう感じですね。
逆にいうと、目で分かるコミュニケーションが自閉症の子どもたちとは大事だよね!とも言えると思います。
ASDの子どもたちの特徴:視覚優位
自閉スペクトラム症の子どもたちは、多くの場合、視覚優位の特徴を持っています。
つまり、目で見た情報を理解する力が強く、逆に耳から入る聴覚情報の処理が苦手な傾向があります。
これは、言葉を使ったコミュニケーションや相手の表情から感情を読み取ることが難しい原因となります。
このような子どもたちに対しては、言葉だけで指示を伝えるのではなく、視覚的な情報を活用することが効果的です。
視覚提示の具体例
視覚提示とは、言葉や聴覚情報に頼らず、視覚的な手がかりを使って指示やコミュニケーションを行う方法です。
以下は、視覚提示を活用する際の具体的な例です。
絵カードの使用: 子どもにとって分かりやすい絵やイラストを使ったカードを作り、これを見せることで次に行うべき行動を伝えます。
例えば、「リモコンを3回押したら課題を3つやろう」という指示を絵カードにして見せることで、言葉だけでは理解しにくい内容を視覚的に補完します。
スケジュールボード: ホワイトボードや専用のスケジュールボードを使い、1日の予定を視覚的に整理して見せる方法です。
特に、文字が読める子どもには、スケジュールを文字と絵で提示することで、安心感を与え、計画通りに行動しやすくなります。
動画や写真を活用: 例えば、幼稚園や保育園の行事の前に、過去の行事の動画を見せることで、子どもにその場の雰囲気や流れをイメージさせることができます。
また、日常的なルーティンを写真や動画で見せてから実行することで、子どもが何をすべきか理解しやすくなります。
視覚提示のポイント
視覚提示を行う際には、次のポイントに注意してください。
シンプルにする: 視覚提示に使うカードやボードには、できるだけシンプルで明確な情報だけを載せることが重要です。
情報が多すぎると、かえって混乱を招く可能性があります。
一貫性を保つ: 同じ絵カードやスケジュールを繰り返し使うことで、子どもがその内容に慣れ、理解が深まります。
また、特定の行動を指示する際には、同じカードを使うようにしましょう。
個別のニーズに応じた工夫: ASDの子どもたちは個々に異なる特性を持っているため、その子に合った視覚提示の方法を見つけることが大切です。
例えば、視覚提示に反応しない子の場合は、まずは本人が好きなおもちゃや遊びなどのカードを使うことから始めて、徐々にカード自体の使い方に慣れることも大事です。
視覚提示を使ったコミュニケーションの効果
視覚提示を活用することで、子どもたちは言葉だけでは理解しにくかった指示や情報を視覚的に理解しやすくなり、行動がスムーズに進むことが期待できます。
さらに、視覚提示がコミュニケーションの基礎となり、将来的には言葉によるコミュニケーションが促進される可能性もあります。
まとめ
視覚提示は、ASDの子どもたちとのコミュニケーションを円滑にするために非常に有効なツールです。
特に、視覚優位の特性を持つ子どもたちに対しては、言葉だけでなく視覚的な手がかりを活用することで、彼らの理解を助け、日常生活をよりスムーズに過ごせるようにサポートできます。