ASD自閉症の子どもの褒める場面と叱る場面について解説
こんにちは、療育の先生、ゆうです。
今日は、自閉スペクトラム症(ASD)の子どもたちを「褒める」ことについて、そして褒め方に関するコツについてお話しします。
褒めることは非常に重要ですが、ASDの子どもたちには特有の注意点があるため、適切な方法を理解することが大切です。
褒めることの重要性
まず、発達障害の子どもたち、特にASDの子どもたちに対して、「叱る」よりも「褒める」ことが推奨されることが多いです。
これは、叱ることで子どもが受けるストレスや、パニックに陥るリスクを避けるためです。
ですが、褒めるだけが正しいかというと、必ずしもそうではありません。褒めることが有効な場面もあれば、適切に叱ることが必要な場面もあります。
ASDのタイプによる褒め方と叱り方の違い
ASDは大きく3つのタイプに分けられます。それぞれのタイプに応じて、褒め方や叱り方も異なるため、そのポイントを押さえておくことが重要です。
1. 自閉症
自閉症の子どもたちは、知的な問題を抱えている場合が多く、他者の感情や考えを理解するのが難しいことがあります。
そのため、叱るとただ怖がってしまったり、パニックに陥ったりすることがあります。
これが原因で、特定の場所や状況を極端に避けるようになることもあります。
そのため、自閉症の子どもたちには、褒めることを中心に、行動をインプットさせることが大切です。
悪い行動に対しては、淡々と対応し、良い行動をした時にはしっかり褒めて繰り返し定着させることを目指しましょう。
2. 高機能自閉症
高機能自閉症の子どもたちは、知的には問題がない場合が多いですが、言語や表現の面で苦労することが多いです。
なので、特に幼児期や小学校低学年では、褒めることを中心にした方が良いです。
ただし、年齢が上がるにつれて、冷静に状況を説明し、なぜその行動が良くないのかを伝えることが大切です。
このように、年齢と共に少しずつ叱る(諭す)場面を取り入れていくことで、社会性の発達をサポートします。
3. アスペルガー症候群
アスペルガー症候群の子どもたちは、知的な問題がなく、言語能力も高いことが多いですが、強いこだわりや感覚過敏があるため、叱られた際にパニックを引き起こすことがあります。
幼少期には褒めることを重視しつつ、年齢が上がるにつれて、必要な場面で適切に叱る(諭す)ことも重要です。
ただし、感覚過敏がある子どもには、過度に大きな声で叱ると、恐怖心を抱かせてしまう可能性があるため、淡々と冷静に伝えることを心がけましょう。
問題行動への対処法
ASDの子どもたちが問題行動を起こす場合、その行動を単に「叱る」だけでは効果がありません。
彼らは安心感を得るために繰り返し同じ行動をしているパターンもあるからです。
ダメなことと分かっても、ついやってしまう感じです。
認知に偏りがあり、ダメなこと=いつもやっていること=安心となっている感じです。
この場合、叱るよりも無視をして淡々と対処する方が効果的です。
例えば、唾を吐いた場合は無視をし、その後冷静に対応することで、子どもは「反応がないから意味がない」と学ぶことができます。
褒める際の鉄則
褒める時には、子どもが良い行動をした時にだけ褒めることが重要です。
何でも褒めれば良いというわけではなく、具体的な良い行動に対して大げさなくらい褒めてあげることが大切です。
これにより、良い行動が定着し、逆に悪い行動は自然と減っていくことを目指しましょう。
ただし、あまりお子さんを褒めていないご家庭の場合は、まずは親自身が癖づけと思って、意識して褒める量を増やすことは大事です。
まとめ
褒めることは、ASDの子どもたちとのコミュニケーションにおいて非常に重要です。
ただし、褒め方や叱り方には工夫が必要であり、子どものタイプや年齢に応じて対応を変えることが求められます。
無理をせず、正直な気持ちで接し、適切に褒めることを心がけてください。