ASD自閉症の子どもには、呼ばれたら反応をする習慣を身に付けさせよう
こんにちは、療育の先生、ゆうです。
今日は、「呼ばれていることに気づかせる工夫」についてお話しします。
自閉スペクトラム症(ASD)の子どもたちが日常生活で、どのようにコミュニケーションを取るか、そのための基本的な対応方法を中心に解説していきます。
この方法は家庭だけでなく、幼稚園や学校などでも使えるものですので、ぜひ参考にしてください。
ASDの子どもたちの特徴
自閉スペクトラム症の子どもたちは、大きく分けて以下の3つの特徴を持っています。
- コミュニケーションが苦手
- こだわりが強い
- 感覚の偏りがある
これらの特徴のうち、まず「コミュニケーションが苦手」という点について、どのように対処するかが重要です。
特に、呼ばれたら反応をするという基本的な習慣を身に付けることが、今後のコミュニケーションにおいて重要な土台となります。
呼ばれたら反応をする習慣を身に付ける
特に幼児期のASDの子どもたちは、名前を呼ばれても気づかないことがよくあります。
これは、聴覚情報の処理が弱く、視覚に頼りがちな傾向があるためです。
後ろから声をかけられても無視をしてしまったり、
正面から声がけをしても、まるで外国語で話しかけられたかのように、何を言われているのか分からないことがあります。
このような場合、まず重要なのは、何度も繰り返し声をかけることです。(嫌がっているのにやるのはNG)
そして、呼びかけに対して反応があったら、必ず大げさに褒めてあげることが大切です。
これにより、子どもは「呼ばれたら反応する」という習慣を少しずつ身に付けていきます。
効果的な呼びかけの方法
反応を引き出すためには、次のような工夫が有効です。
顔が見える位置で呼びかける:最初は、必ず子どもの正面で顔を見ながら呼びかけましょう。視覚的に注意を引くことで、聴覚情報も理解しやすくなります。
反応を大いに褒める:子どもがこちらを見た時や反応があった時は、大げさに褒めてあげましょう。これが子どもにとって「良いこと」として定着します。
段階的に変化をつける:正面からの呼びかけに反応できるようになったら、次は後ろからや少し離れた場所から呼んでみるなど、少しずつ難易度を上げていきます。
このようにして、名前を呼ばれた時に反応することを習慣化させることが大切です。
注意点:子どもに合った対応を
一方で、ASDの子どもたちには感覚過敏があることも忘れてはいけません。
例えば、音に敏感な子に大きな声で呼びかけると、逆に驚かせてしまうこともあります。
また、触覚過敏の子に対して頭を撫でるなどの接触を行うと、不快感を与えてしまうことがあります。
子どもに合った音量や接触の仕方を考慮しながら、呼びかけを行うことが重要です。
まとめ
今日お話しした「呼ばれていることに気づかせる工夫」は、ASDの子どもたちのコミュニケーション能力を育てるための重要な土台です。
まずは、呼びかけに反応する習慣を身に付けさせ、その反応に対してしっかりと褒めることで、コミュニケーションが楽しいと感じさせることができます。
これが将来の成長に繋がる第一歩となります。
ぜひ、この基本的な習慣を家庭や教育現場で取り入れてみてください。